#33 新たな拠点
~前回の最後~
ソルグロスが帰ってきたら思ったらなんか知らない男がそこにいた!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「すまへんな。どうしてもついてきたい言うから連れてきてしもたわ」
「あ、ソルの付き人なのね…」
一応は仲間のようで安堵はしたのだが、それでも本当に誰も見たことがないため、レツハさんとへインは警戒心がマックスになっていた。
「おいおい、警戒しすぎだぜ二人とも、俺たちはもう仲間なんだ。そんなに警戒することもないだろ?」
「それもそうだなっていうやつがいると思うか。お前に関しては本当に何も知らない。警戒するのは当たり前だろ。」
「なら自己紹介すればいいか?それでお互い知ろうぜ。」
「いやそういうことじゃなくて…」
「俺は”リュウゲン・グレン”っていうモンだ!出身地は争いの絶えない国で有名の”修羅”っつーところだな。知ってるか?まぁ、これから長い仲になるかもしれないからよろしくな!」
へインは非常に混乱していたが、レツハさんはこの状況に早く順応し
「俺ン名前はレツハ・ブラド!よろしくな!」
「おう!よろしく!」
リュウゲンといった男とレツハさんは握手をし、すでに仲をよさそうにしていた
「…俺はへイン・トラスト。…よろしく」
「おいおい恥ずかしがり屋なのか?とりあえずよろしくな!」
リュウゲンはへインと握手をしようとしたが、その手をへインは払いのけた
「握手はしない。まだ信用が…」
「まだ言ってんのかよ!?じゃあどうやったら信用してくれんだ?」
「やめたれやリュウゲン。今日会ったばっか、それにこんなになれなれしくしてくるやつ、信用してくれっていうほうが無理がある話やろ?」
「俺はそうは思わんが…まぁシャガラがそう言うんなら仕方ないな。まぁ日数過ごせば信用してくれるだろ」
「すまへんなぁほんとに。リュウゲンはこういうやつなんや。慣れていってくれると助かるで。じゃ、拠点に案内しよか。ほかの子の自己紹介はまぁ…移動中にすませればええか」
そういいながら、ソルはついてきいやと言い、ヘインたちもそれに続いていった
「そういえば、拠点ってこの近くにあるの?」
「…実は、本拠地があんのはここなんや。」
「はぁ?なんで話してくれなかったんだよ」
レツハさんがそういうが、まぁ原因はおそらく…
「いや、言おうとしたんやけどな?アンタがワイの言葉を悉く遮ったから言うタイミング逃してしもたんやで?」
「…あ〜…そう、なんだ〜…」
レツハさんは歯切れが悪そうにして、すこし申し訳なさそうにしている
「レツハ…」
ヘインも若干引き目でレツハさんのことをすごく軽蔑した目で見ていた
「悪かったって…てかヘイン。お前にそんな目で見られる筋合いはねぇんだが?」
「へぇ?こんなとこでも始めるつもりか?残念だがお前が十悪いぞ」
「賑やかでいいな!ははは!」
ヘインとレツハさんがいつもの言い合いを始めようとし、それを横で笑うリュウゲン。まさにいつもの日常にうるさいのが加わってさらに騒がしさを増していた
「メディさん、これ、私たち慣れますかね…」
「日数過ごしていけば…まぁ…」
メディさんでさえ、少しうんざりと言ったような感じで項垂れていた
「そういえば、3人のお嬢さん方の名前を聞いてなかったな。名前は?」
「あ、メイプル・ウィートって言います」
「私はメディ・フェイリアです。気軽に呼び捨てで呼んでくださいね」
「クレア・シュタールっス!これからよろしくっス!先輩!」
「情報で聞いていたより全然美人さん揃いだな。よろしく!…ってあれ?三人も情報にいたっけ?」
「ああ、それに関してはワイの方から説明させてもらうわ」
そうして移動しながら談笑して、気づけばある建物の前で止まっていた
「ついたで。一応、ここが活動拠点や」
「お粗末なもんだろ?“蒼穹の騎士”ってやつから貸してもらってるんだが、結構かかる金がバカにならなくてね…」
「そんな内部事情を話すところでもないやろ…まあええわ、中入るで」
お粗末なもの、と言っていたが、実際そこまでお粗末なものではなかった。かなり立派だし、この蒼穹の街の街並みとうまく溶け込んでいて、さながら秘密基地のような、そんな感じのように思えた
「中は魔法で広くしてあるから、スペースに関してはそこまで気にしなくて大丈夫だぜ。俺はボスに伝えてくるから、それまでは…まぁ、そこのソファーに腰掛けておいてくれ」
そう言って、リュウゲンは階段を登って二階へと行ってしまった。中はとても広く、明らかに普通に家ではなかった。まさに組織といったような、そんな感じだった。左側にはカウンターみたいなものがあり、おそらくは何かを食べるところ、もしくは酒場といったところだろうか。そのほかにも娯楽場っぽいところなど、結構いろんな設備が整えられていて、かなり豪華なところだった
「意外やろ。拠点じゃなくて、何かしらの施設やと思わん?」
「うん、そう見える。」
ソルが私の心を見透かしたようにそう質問してくる。確かにすごく意外だし、もっとも、この場にいる全員が思っていることだろうが…
「ま、あながち間違いやないんやけどな。ここ、借りる前はもともと他の施設やったらしくて、その特色を受け継いどる感じらしいで」
「ほへ〜…道理でなんか施設っぽいなと思った。」
そんなことを話していると、リュウゲンが降りてきて少しめんどくさそうな顔をしていた
「…さて、シャガラ。どうすればいいと思う?」
「なんか面倒なことでも言われたんかいな?」
そういえば、さっきからなぜこの人は、ソルのことを”シャガラ“って呼んでるんだろう。それに対してソルも反応してるし…
「俺ら抜きで、こいつらと話がしたいそうなんだが…」
「はぁ?うそやろ?」
「本当なんだなこれが。どうするよ、話させるか?」
「そんなにその人って面倒な人なの?」
「…面倒というよりは、信用できひんのや。何を考えとるかもわからんし、言う言葉がいちいち胡散臭いし、なんかすごい不審者っぽいんや」
何それ。そんな人が組織を取り持ってるって、やっぱり結構やばい組織なんじゃ…
「これ来て正解だったのか?」
「失敗だったかもしれねぇ…」
レツハさんとヘインも頭を抱え、とても後悔しているようだった
「大丈夫やって。ボス以外は信用できるから、そんなに気にせんでも…」
「今はそんなことどうでもいいだろ。どうするんだ?行かせるか?」
「…まぁ、そうするしかないやろうな。逃げ場ないし。」
「ってことだ!お前ら、ちょっと大変かもしれねぇけど、行ってこい!」
急にリュウゲンが投げやりになって私たちに全てを投げてくる。
「仕方ない。腹括るか…」
「そうだな。ウダウダ言ってても仕方ないよな。」
2人も覚悟を決めたようで、メディさんとクレアちゃんも、覚悟を決めた表情をしていた。
「なにか変なこと言われるかもしれねぇが…まぁそれはスルーしてくれ。まともに耳を傾けるのは多分ダメだ」
最後にリュウゲンからそういう忠告をされ、それを承諾をした上で私たちは二階へと登りその”ボス“の部屋の扉の前へ行くのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます