第12話 計算高い男(東堂達也)
俺の名は
俺は子供の頃から人より体が大きく、運動神経も良くてスポーツなら大体なんでも出来た。
ついでに言うと家も金持ちで、親に言えば大体の物は買ってもらえた。
俺はイケメンで学校の成績も良く、女子からも少なからずモテていたが中学では彼女は作らなかった。
俺にふさわしいと思える女子がいなかったからだ。
高校は少し偏差値の高い進学校に入学する事が出来た。
入学式が終わり、クラス別に教室に集まった際に俺の目を引く女子がいた。
彼女は万人が目を引く容姿で高一にしてはスタイルも良い。
少し観察したところ、明るく人当たりも良くクラスにもすぐに馴染んでいた。
聞けば家が隣同士の幼馴染らしい。
だが片や美少女、片やボッチ感満載の男子、どうにも釣り合わないように見える。
彼女には俺こそがふさわしいだろう。
知恵の回る俺は、まず
少し陰キャボッチ感はあるがそれほど不快感の無い男だったので、ラノベなどの共通の話題ですぐに仲良くなる事が出来た。
そして毎日3人で顔を突き合わせて昼食を食べる仲となった。
来週あたり
そのうちに昼食は2人で摂る事になるだろうな。
ーーーーー
そして事が起こった。
ウィルスか何かのパンデミックだ。
いつもはのほほんとしている
それにこういう状況にやたら詳しそうな感じだ。
こいつ、やれば出来るんじゃないか。
その調子でこれからも俺の役に立てよ。
だが
確実に骨にヒビは入っているだろう。
恐らくは2、3週間は満足に動けないはずだ。
役に立つどころか足手まといになりやがって!
体育館での避難生活で
俺は
「
「えっ! ひーくんはどうするの? 怪我してるんだよ……」
「だから万が一だよ。
「でも……」
「まあこのまま助けが来ればいいけどな。君だって死にたく無いだろう?」
「それは、そうだけど……」
「なら、そのつもりだって事は忘れないでくれ。君の為でもあるんだ」
ーーーーー
その「いざ」って時は思ったよりも早く来てしまった。
食糧調達チームが感染者に捕まって体育館内に呼び込んでしまったのだ。
直ぐに脱出しないと!
「真理、達也!」
立たせてほしいんだろう。
「悪いな!」
俺は
バッグを奪った時に
俺達は振り返らずに感染者をかわしながら学校から脱出する。
ふっ! 悪いなひさと。
俺はこんなところで死んで良い人間じゃないんだ。
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