さみさしさのゆくえ

貴方は何時だってそうね。

急に電話くれたから、私喜んで飛んで来たのに、「ケンの連絡先分かるか?」って何よ。

まあ確かに私はあの子と同じ屋根の下でずっと暮らしていたし、姉みたいな物だったけど、それも昨年までの話よ。

ハイスクールを卒業してから私が施設を出て一人暮らしをしているのを知ってるでしょ。


そう、だから、もう彼とは半年以上会って無いわね。まあ本当に可愛いい弟分ではあるけどね。

えっ!もしかして少しは嫉妬してくれてるの?嬉しい。

確かにケンはしっかりしているから、本当の年齢よりずっと上に見えるけどね、、、。

でも彼は私より五つも年下なのよ、あの子から見たら、私は「オ・バ・サ・ン」

愛があれば年の差なんて?

馬鹿な事言わないで!そんな訳けないでしょ、もう、、、。


あっ、やっぱり揶揄ってただけなのね。

本当に毎回酷い人ね。

私なんて『こんな私でもいいと言ってくれたひとことを今も大切にしてる』のに、、、。


(©︎荒井由美『さみしさのゆくえ』)

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