【ショートショート集】不気味の山

こだわり 解説編

「彼」は両親を幼い頃に火事で亡くした影響でこだわりを持つようになったと話していますが、もしそれが嘘だったら。

「彼」がそれ以前からそのこだわりを持っていたとしたら、両親は「自分で選んだ」相手ではないため、愛着が持てないことになります。

　愛着がないものを短期間で処分してしまう「彼」なので、両親と長く暮らすことは難しいと判断したのかもしれません。

　つまり、両親は「彼」に殺されたと考えることができます。