第4話 マゼグロンクリスタル
「くそ、あまりにもひどすぎる」
俺はまだいい、死ななかったから。
ほのかさんは殺されてしまったのだ。
今はアンデッドとして復活してるからいいって問題じゃない。
っていうか骨がむきだしのアンデッドで満足する女子高生なんているわけないし。
「くそ……くそ……ほのかさんまで……」
悔しくて思わず涙がこぼれる。
「慎太郎君、私のために泣いてくれてるの……?」
「ほんとにくやしくて……俺は指を切り取られるくらいですんでよかった、ほのかさんはもうとりかえしが付かないんだ……」
「あ、そうだった、それで私が呼ばれたんだったね、私僧侶職だから回復魔法が使えるんだ」
そういって、ほのかさんは骨の手で俺の手をとり、
「ジアルマー!」
と叫ぶと、なんと俺の指があっさり復活した。
すげー。
なんて便利なんだ。
「こういう感じで、ほのかさんを復活させる魔法があればいいのにな……」
するとふわふわロリータファッションのチビご先祖様が屈託のない笑顔で、
「あるぞー」
「はあ?」
「ある」
「あるの?」
俺とほのかさん、顔を見合わせる。
「え、聞いたことないや、どうするんですか?」
「うむ。あのな、この世で最も貴重な宝石のひとつ、マゼグロンクリスタルというものがある。そいつを媒介にして、このあたしが呪文をかければ、マゼグロンクリスタルの破壊と、プラスしてあとほか三人の人間の魂、これを引き換えに人間をひとり復活させられるんだよ。そして、あたしの部下にはな、このマゼグロンクリスタルを持っているやつがいる」
ふっふっふ、と腕組みをして胸をはるロリータご先祖様。
ああ、なんという頼りがいのあるお姿!
「まあ、このあたしが土下座して頼めばあのトロールゾンビもマゼグロンクリスタルをあたしに差し出すであろう」
いや、部下に土下座するのかよ!
ん?
待って。
トロールゾンビってどっかで聞いたような……!
ああああ!
「あの、すいません」
「なんだ、わがかわいい子孫、慎太郎よ」
「さっき、俺が殺されかける直前に戦ったのがトロールゾンビで」
「うむ?」
「たおしちゃいました」
「は?」
「で、持ってた宝石は和彦がもってっちゃった……」
そう、それこそが俺が殺されかけた理由のひとつだったのだ。
「はああああ? トロールゾンビやられちゃったの? お前らつよすぎん? あいつ解呪無効やぞ?」
「はい、だから俺が剣でスコーンと」
「はああああ? ちょっとお前、ステータス見せてみろ」
「ああ、はい。ステータスオープン!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます