悪魔先生といっしょ~異世界救済の相棒は、怪しくおかしいヒゲ紳士~
さぐものK
異世界、そしてヒゲ紳士。
みなさんは異世界で、老紳士に男性器の公開を求められたことはありませんか?
僕はあります。
っていうか今まさにその状況です。
必死そうな顔をしたずぶぬれのオジさんが、僕を追いかけて叫んでるんです。
「パンツをおろしたまえー!! おちんち〇を見せたまえー!!」
…まず、こうなった経緯から語る必要がありますね。
僕の名前は
フリーターの24歳、男性ですがよく見た目だけで女性に間違われます。
僕が異世界に来たのは今から約10分前……。
バイト帰りにスクーターをぶっ飛ばしていた時の事。
外は雨風がわりと強めでしたが、このくらいならまあ、と侮っていたのが運の尽き。
高い高い崖際のカーブに差し掛かったと同時に豪風がドドウ!と叩きつけて。
スクーターはガードレールにぶち当たったんですけど、肝心の僕が身を投げ出される始末。
地面に叩きつけられる直前、周囲の景色がとつぜん真っ暗になりました。
そして、閃光が僕に向かって近づいてくるわけです。
その光が、たぶん……女性?の声で語りかけてきました。
「アナタ!そう!アナタがちょうどいいですね!私は異世界の創世神です!信じてください!」
めっちゃ早口でしゃべりますね。
「いいからとにかく聞いてください!今、私の作った世界が、消滅レベルの危機に瀕しているんです!
なのでアナタに異世界に来てもらって危機を退けて貰いたいんです!もし救ってくれたらアナタの死をなんとかしましょう!」
異世界を救う?いやでも僕、そんなすごいパワーとかは
「大丈夫です!頼れる相棒も転移させています!彼といっしょならきっとやり遂げられる!はず!それと違法ですが能力を授けます!そもそも異世界転移が違法なんですが!」
バレたくないから早口でしゃべってるわけですか。
「その能力は……あああ!!頑張ってクジケナイデタノミマスー!」
そこまで聞いて、どんどんと光が離れていく。
誰かに見つかりそうになったのかな。
なんてことを考えながらふわふわ宙を浮く僕の身体。
まるで水の中にいるような感覚、と、急に息が苦しく。
いるような、じゃなくて本当に水の中にいる、ヤ、ヤバい。
口から出た泡が浮く方向を確認すると、光が。
「ぶわぁっ!」
必死こいて泳いで、なんとか水から顔を出すことができた。
唐突な出来事の連続にグッタリした体をなんとか陸に上げると、周囲は見覚えの無い草原。
今のは何だったんだろう?頭を打って、そのショックで幻覚でも見たのかな?そういえばヘルメットもいつの間にか消えてるし。
と、不意にすぐ横でゴソゴソと音が聞こえたので、そっちに振り向くと、いたんです。
ヘビのような長い体、デカい翼、ゴツい爬虫類…ドラゴンのような頭、額にはツノ、後ろ足だけの2足歩行、人間なみの全長!
僕のいた世界では、図鑑でも見たことないようなトカゲの怪物が、目の前に!
「ア゜ーーーーー!!」
「キシャーーーーーーー!!」
同時に悲鳴をあげると、怪物は意外なほど早いステップで僕の方へ近づいてきます。
「待って待って、来ないで、助けて、だれかー!」
もしかしたら、あの神様から貰った能力でなんとかできるのかもしれないけど、その詳細を知らない僕は無力も同然。
なんてタイミングで突き放したんですか…異世界の神!
もう逃げるしかない。
こっちの方が若干走るのは早いけど、止まればすぐに追いついてしまう。
というか、追ってくる数が増えてる!
3…4…5匹!
ずぶぬれの身体では体力の消耗も激しく、死の予感(数分ぶり3回目)を感じたその時、声が。
「あきらめるな、成人男性ッ!…で、よかったかね?」
声のした方向を見ると、僕に並走する、老紳士の姿がありました。
その人は、黒髪に不釣り合いな白いカイゼル髭、それなりにシワのあるイケオジ顔、主張しすぎない筋肉のボディラインで…正直、カッコよかったです。
あと僕同様にビチョビチョでした。
「どうなのかね!?オス or メス!?」
「オ、オスです、よく間違われます。」
「やはり男か、この怪物から逃れたいかね!ならば私の言うことを聞くんだ、返事はイエスかOKか!」
「イ、イエス!」
「よし、では
おちんち〇を見せたまえー!!」
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