襲撃と裏切る
ここはログロスの村。
あれから美咲と司は、村中を歩いて泪のことを探していた。
「どこに行ったんだろうね……もう帰ってこないのかな」
「ごめん、美咲。俺が外に追い出さなければ……」
「そうだね……司のせい。だけど、ルイも部屋で暴れたから」
それを聞き司は俯く。
「本当に、ごめん。とにかく、もう少し探す」
「司、そうだね……」
そうこう話しながら二人は、ドルムスの屋敷までくる。
「……!?」
司は殺気を感じ立ちどまった。
「……これって?」
そう小声で言い美咲も、殺気を感じ辺りを見回す。
「多分、俺たちが狙いじゃない」
そう言うと司は、目を閉じる。
「三人だな……あの屋敷付近に居る」
「それって……もしかして、村長さんを狙って?」
そう美咲が言うと司は頷いた。
「恐らくな。だが……なんのため?」
「そうだね。……普通じゃない」
「クソッ、駄目だ!! この状況、流石に……見過ごせる訳がない」
司はそう言い放つとドルムスの屋敷をみる。
そう司は元々お人好しの上に、こういう状況を見過ごせない性格なのだ。
「あ、えっと……司? バレるよ……やめよう」
「いや、ほっとけない。美咲は、家に戻っていろ……俺だけで十分だ」
そう言い司は歩き出す。
「あ、待って……心配だから行く」
美咲はそう言うと司のあとを追った。
▼△★△▼☆▼△
ここはドルムスの屋敷の外だ。あれからドルムスは、気分転換のために外にでる。
現在ドルムスは、玄関付近で考えごとをしていた。
(……誰かの視線を感じる……一人じゃないな。セフィルディが言っていた刺客か……ふぅ~、思っていたよりも早かったらしい)
そう思っていると三方向から、ドルムスを囲むように武器を持った三人が迫りくる。
「来たか……」
そう言いドルムスは、もしものために装備して来ていた剣を抜いた。そして、警戒しながら身構える。
その三人の中にはサフィアがいた。
サフィアはダガーを構えながら、他の二人よりも早くドルムスのそばまでくる。
それに気づいたドルムスは、サフィアを攻撃しようとした。
「待ってください。ここは、私に任せて!!」
「どういう事だ?」
「理由は、あとで話します」
そう言いサフィアはドルムスを庇うように前にでる。
「サフィア、裏切るきか?」
「裏切る? そんなつもりはない。だけど、この依頼……アタシは納得していないのよ」
「そうか……なら、お前も」
そう男が言いかけた。
すると二人の男に目掛け炎の塊が個々にあたる。
「サフィア、まさかお前が……ここに居るとはな」
そう言い司が駆けつけた。
そのあとから美咲がくる。
「あーなんで司と美咲が、ここに居るのよ。て云うか、二人は……」
「その説明はあとだ。俺はこの二人を始末する。サフィアは、美咲と屋敷の中に」
「司……」
美咲は心配な表情で司をみた。
「俺一人で、十分だ」
「待って……他にも居るわ」
「サフィア、マジか? 探ったが、見当たらなかった」
そう言うと司は気配を探る。
「なるほど……屋敷の中か」
司は屋敷の方をみた。
「どういう事かね。まさか使用人の中に……」
そうドルムスが言うとサフィアは頷く。
そうこうしている間にも二人の男は、攻撃体勢に入っている。
「中のヤツの方が、強いのか?」
「司、そうね……一応ボスだから」
「そうか……それなら、中は俺がやる。こっちは、二人で頼む」
それを聞きサフィアは頷く。
「因みにボスは、司が良く知ってる人よ。まぁ、本人の話じゃ……かなり昔に司にやられたって言ってたけどね」
「誰だ? んーまあいいか。それなら多分、向こうも気づくだろうな」
そう言い司は、屋敷の中へと入っていった。
それを確認すると美咲とサフィアは、目の前の二人の男を警戒し身構える。
そして泪は、その様子を屋敷の屋根からみていた。
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