第23話 どうせなら勝ちたいよね!?
そんな感じでやってきた体育際前日。
学校中が完全に二分化している⋯
そしてその対象は未来や渚も例外ではなく、今日の朝は少しだけピリピリとしていた気がする。
そういえば寧々は渚と同じ白組なのだとか。
俺たち4人組は2人ずつで別れてしまった形になる。
「翔もやっぱりやるからには勝ちたいよね!?」
「まぁ確かに、負けるのは少し嫌だな」
「よし、じゃあ翔はとりあえず自分の出る種目全部勝ってきてね!」
「おい、俺に勝利を要求しないでくれ、ハードルが高すぎる」
まぁ正直障害物競走も借り物競争も勝った際のポイントが高い訳では無いためあまり緊張することは無いのだが。
「あ〜そういえば聞くの忘れてたんだが、未来はなんの種目に出るんだ?」
「私は翔と同じで障害物競走と、借り物競争と、100m走と、400m走と、400mリレーと、学年の選抜リレーと⋯」
「いやどんだけ出るんだよ!?」
確かに最低2つ⋯というルールはあるが上限は定められていなかった⋯
⋯それにしても、そんなに沢山の種目に出場して体力が持つのだろうか?
「体力は大丈夫なのか?」
俺の記憶だと未来は別に部活に所属しているわけでは無かったはずなのだが⋯
「ふふーん、未来ちゃんは日頃から運動不足の翔や渚と違って健康には気を使ってるからね!体力はバッチリなのだ!」
「日頃運動してなくて悪かったな」
「まぁ運動してるのが偉くてしてないのが悪いなんて考えは持ってないけどね」
「とりあえず、勝てる種目は勝ちに行こう!」
一応クラスメイトに今回のチームのバランスを聞いてみたところ、どちらかに運動の得意な人が偏っているということも無く、いい感じのチームバランスらしい。
そうなると、うちの体育祭は中等部から高等部までの六学年のポイントを総合して白組と赤組で戦うため、極端な話五学年が均衡していて一学年だけ明らかにバランスが悪い学年があった場合、勝負が分かりきってしまうため面白くなくなってしまうという訳だ。
まぁ実行委員がそこは上手く調整していたりするのだろうが⋯
「そうだな、とりあえずうちの学年は白組に負けないように頑張ろう」
「うん、絶対負けないんだから!」
やけに気合いが入っている様子の未来。
なんだか別の目的があるようにも見えるが⋯?
まぁ、なんにせよやる気があるのはいいことだろう。
まぁ俺も、なるべく勝利に貢献できるように頑張るか⋯
最後の練習日はすぐに過ぎ去ってしまって⋯
俺たちは、体育祭本番を迎えるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます