Remember the forgotten love


あの日の恋 忘れといて




卒業式から音沙汰なかったあなたが急に送ってきたメッセージには すこし驚いたけれど

かすかな寂しさと やっぱり、と納得してしまうのは あなたがたくさん傷ついてきたのを 知っているから




わたしはあなたに優しくするのが好きだから

あなたのすべてを肯定してあげたいから

捨ててしまうその気持ちを 懐かしいなと思いながら お墓に埋めてあげました


いつか もっと歳をとって 何もかもに疲れてしまったら どうかわたしの骨を 同じお墓に入れておいてください


あなたの恋心は 土に埋まり やがて芽吹き

俯く誰かの目に留まる 花になります


(その花は 小さくとも 足を止めずにはいられない 美しく 儚い 摘んでしまうのははばかられるような そんな花でしょう)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る