77話 運の無いやつだ。

俺は、夜のデビルギルド社長室にダクトの中に入り向かっている。


ダクトの中はホコリっぽく、あまり息をしたくない場所だ。だけど、この中を通るとデビルギルド内部に入ることが出来るので、致し方ない。


「ふう」


俺と秘書は、デビルギルド内部に侵入することが出来た。


夜という事もあり、人気は少ない。

人は少し居るので、足音を立てずバレないようにデビルギルドを徘徊中....


社長室に向かっている時、人と遭遇しそうになったり、進みたい場所で誰かが喋っていたりと、思ったように進まず、遠回りをしながら、ようやく社長室に到着することが出来た。


「で、こっからどうするの?」

「堂々と入ってください。」

「わかった」


ここまで、コソコソと侵入したにも関わらず、俺は、社長室の扉を『ドン』っと、大きな音を立てて、入った。


中にいた、社長と社長に怒られていたのか、涙目の男性が大きな音で扉を開けたせいで驚いていた。


「だ、だれだ!?」


社長が尋ねてきた。


「我は、ブラッド・クロウ。こいつは、俺の秘書だ。」


俺はそう言うと、慌てた顔でいる。

涙目の男は、まずい状況を察したのか、慌てて扉から走って出ていった。


社長は「おい、俺を守れ!!」と言うが、守ってくれなかったようだ。


「な、なんだ!!金か?金なのか?金ならあるぞ。やるから、帰ってくれないかな?」

「いや、違う。用事が済めば帰る。」


俺がそう言って、社長の椅子に腰をかけた。


「お前は、このギルドを辞めて、次の社長をミケにしろ。それが条件だ。」

「そ、そんな事はできない」

「何故だ?」

「それは、俺が1から作り上げたギルドだ。愛着もある。手離したくない。」

「そんなことを言っていますが、先程の男性にもなにか強く当たっていたようですが、ギルドメンバーを不当に扱ったりと、何が愛着があるですか?全然ないじゃないですか!!」


秘書は、デビルギルドの社長に強く言った。


「だが、こんな事をして冒険者ギルドや警察が黙ってないだろうな。それに、ここには防犯カメラがある。これで、お前らはお終いだよ!!」


勝ち誇ったように言う、デビルギルドの社長であるが、秘書があるものを見せると沈黙した。


それは、フェニックスギルドとのやり取りである。

内容は、至って普通のようにも感じれるが、よく読んでみると、殺すとか物騒な文字がちらほらとある。


「これは、貴方が社員などに送った履歴です。その他にも、ドロップアイテムの横領などなど、これを警察に届けたらあなたは社長どころか逮捕されますがいいですか?」


秘書は、更に畳み掛けた。

もう、俺が居なくても社長を辞めさすことが出来るのではないか?


そう思っている。


「さあ、どうですか?」

「い、いやいやいや〜、そんなことしていいのかな〜」

「「?」」


急に息を吹き返したように、喋り始めた。


「そんな事していいのか!?クロウ元デビルギルドのミツキを殺すように言ったのは俺だ。次はお前を殺してやる!!」


そういい、後ろポケットに隠していであろう拳銃を取り出し、俺に向かって発砲してきた。

俺も撃たれると分かったていたが、避け無かった。だって、物理攻撃無効だから。


弾丸が俺の心臓部分に直撃したが、押しつぶされたぺっちゃんこになった弾丸が地面に落ちた。


それを見た、デビルギルドの社長は驚いていた。


「うぁあああああ!!」


狂ったように、俺に向かって撃つがノーダメージ。


「もういいか?」

「うう」


俺は拳銃を取り上げ、握りつぶした。

社長は、鼻水と涙を出しながら怯えている。怯えるなら、最初からしなければいいのにと思いつつ、作戦に移す。


「じゃあ、お前のこの情報と違法物を持ち込んだ事をバラされたくなかった、その社長の椅子をミケに譲れ。」

「う....」

「いいな!!」

「は、はい!!」


俺は契約書などを書かせ、今日中に社長を辞めせ新しい社長をミケさんとなった。


秘書との作戦は、秘書が持っている情報と俺という脅威をぶつければ、恐ろしくて、直ぐに社長の椅子を明け渡すはずだったんだけど、まあ、銃とか違法な物まで出てくるとは...


魔法で攻撃してきたら、俺に攻撃が通じたのに運がないやつだ。しかし、どこで銃なんて、手に入れたんだ?


俺はそう思いつつ、新しい社長の就任式をみて帰った。





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