第41話フェニックスギルド〜闇〜
「クッソ。タケルには、これからもダンジョンで活動してもらうために、優しく接したがアイツはアホか！？ミツキと言う稼ぎ頭を失わせるアホさ加減には呆れるわ！！」
社長は物を蹴って、いらだっている。
「はい...ですが、まだミツキさんが死んだとはまだ...、決まったわけではないです。」
「はぁあ！？死んだわ！！死んだに決まっている。ダンジョンの穴なんて、どこまで続いているか分からない。落下死しているだろ。それに、穴の中塞がる。埋もれて死んでいるかもしれない。死体なんて、残っていない。」
「ですが...今は、冒険者ギルドやミツキさんの知り合いなどが一緒になって探してもらっています。希望は捨てない方が...」
秘書が社長に伝えていると、社長の電話に電話がかかって来た。
「ああ、そうか。」
社長は、電話を切った。
「冒険者ギルドからだ、やっぱりミツキが死んだとさ。」
「え...う....そうですか...ミツキさん...が」
秘書は悲しそうな顔をしている。
秘書はミツキが来て以来、彼女との会話や交流が心の支えとなっていた。しかし、彼女を失ってしまったことで秘書は胸の内に悲しみを抱えている。
社長の前で涙を流してしまえば、何か言われたり、何かされるかもしれないという不安が秘書の心を襲っている。それゆえに、自分の涙を抑えようとしているが、抑えきれずに声が詰まってしまっているようだ。涙をこらえるが言葉にならず、ただ胸に溜まっている。
「死んだのなら、ミツキを有効活用しないといけないな。」
「え?」
「ミツキの防具や持ち物を売り払い、少しでもミツキが死んだ損害分に当てろ。あと、タケルを被害者にして人気度をあげるように誘導しろ。そすれば、タケル達のチャンネル登録が増えて更に人気が上がり、フェニックスギルドのランキングが上がる事が出来る！！これなら、ミツキが死んだ分の損害は取り戻せるか？いや、ミツキのための募金と称してお金を集めることもできるな。よし、俺が言った事を全部やれ」
「で、ですが....ミツキちゃんが死んだことを利用するのはどうかと思います....」
「死んでそれだけの奴を俺が有効活用してやるって言ってんだよ!!秘書は黙って俺の指示に従え!!」
『ドン』
社長は拳を振り下ろし机を凹ませた。
秘書は、ビックとなり、やりたくないが社長には逆らえない秘書は指示通りに行った。
+++++++++
俺の裏垢シャイニングアローにひとつのコメントが来た。
どうせ、ミツキのファンからの攻撃だと思った。
だけど違った。ブラッド・クロウと言うアカウント名からのコメントだった。
ブラッド・クロウって言ったら、俺がミツキをわざと攻撃した事を知っているかもしれない奴だ。
もしかして、俺のことを突き止めて、テニターにコメントしてきた!?
ま、まさか...ハァ、ハァ、ハァ...
息が荒く、目の前がクラクラしてきた。
突き止めたなら、俺の公式アカウントにコメントしたらいい...それを、俺の裏垢に...
ま、まさか、俺の事を全て調べあげたって言う警告なのでは無いか!!
まさか、じゃあなんで、アイツは俺に何もしてこない。何かあるのか!?
もし、俺がミツキを攻撃した事がバレたら、俺がここまで積み上げてきた人気が無くなる。
それだけは嫌だ。嫌だ!!!!
頭を抱え、震えているタケルを見たミカは、タケルに話しかけた。
「タケル大丈夫...?」
「黙れ!!」
「ご、ごめん。だあ、だけど、タケル顔色がものすごく悪いよ。大丈夫?」
「ああ、大丈夫だからほっといてくれ」
「分かった...」
ミカはタケルから離れた。
ハァ、ハァ、ハァ....じゃあ、どうする。
俺はアイツに顔を知られている。全てを調べ尽くされた。
....そうだ。
アイツの力を借りよう...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます