第39話 髪型を変えるだけで、見た目が変わりすぎる。

俺たちは、沼にハマっていた佐々木さんを助け、とりあえずダンジョンから出て、佐々木さんを家に入れてお風呂の準備をしてあげた。


「お風呂ありがとう。さっぱりしたよ。」

「いいよ。それより、よく沼にハマってそんな平然としてられたよね?」

「僕は、感情が顔と声に出ないだけで、内心はかなり怖かったよ。」


真顔で言われると、『ほんとかな〜』って、思ってしまう。


「改めて僕を君のギルドに入れて欲しいんだけど?」

「まあ、いいよ。僕のギルドまだ誰も居ないので」

「ん?そっちのミツキさんは君のパーティーメンバーじゃないの?」

「フェニックスギルドのメンバーだよ。」

「なるほどね」

「そういえば、ミツキはギルドに戻って生存報告しなくていいの?」

「....もし、ミツキが生きてるって分かったら、命が狙われるかもだから...報告したくないんです...」

「そうか...だけど、これからどうするんだ?」

「どうしましょう?」



ミツキは俺に聞いてきた。


どうなんだろう?

犯人が分からないけど、パーティーの中に居る。

命を狙ったらもう一度狙ってくるかもしれない。


だけど、このまま何もしないと死んだことになって色々とややこしくなるかもしれない。


「じゃあ、死んだことにしてたらいいんじゃん」

「「え?」」

「だから、死んだことにして、犯人を炙り出せばいいじゃないか?」

「どゆこと?」


俺は聞いた。


「たまにあるんだよ。ミツキさんのような事が。」

「あ、それ俺の炭酸水...」


佐々木さんは、背伸びをして冷蔵庫にある最後の1本の炭酸水を取り出し飲み始めた。


「だから、冒険者ギルドも手を打って色々考えているんだよ。もし、殺されそうになった場合などを想定した事件の操作とか色々。」

「へえ〜そんな制度があったのか。じゃあ、ミツキを死んだ事にしたら、とりあえず犯人からは狙われずに済むってわけか。」

「そうだよ。君もようやく理解したか...ケップ...」



口が少し悪いが、ゲップは何故か可愛いので許した。


「じゃあ、行こっか。ミツキさんはパーティメンバーにばったり出くわすかもしれないので、変装しておいて。佐藤くんも僕をギルドメンバーに入れる手続きをしてもらうんだから、一緒に行くよ。」


「「わかった」」


ミツキは、変装しようとしているが...俺の家には女性物の服が無いので元々肩まである髪の毛を切りメガネをかけると言う感じになった。髪を切るのは抵抗があるかなと思ったが、案外すんなりと了承した。髪を切るのは佐々木さんなのだが、髪を切るのがうまい。初心者の目でも分かる。


ミツキの散髪が終わりミツキの髪型はショートヘアーになっていた。


ロングへアーだった髪型だったので、少し落ち着きのある感じだったが、ショートヘアーになり見た目が活発のある子に見える。俺はこっちのミツキが好きだともう。


活発系女性大好き。


ショートヘアーになり、メガネをかけただけなのだが、ミツキの全然見た目が違う。

これなら、誰が見てもミツキだと分からない。


「じゃあ、行くか」


俺達3人は、冒険者ギルドに向かった。




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