第5話



 どうしようか。


 スピードがかなり速いな。


 今の俺の魔法精度で当てるのは難しい。


 物量攻めは打つだけならいけるけど威力に対しての消耗が割に合わない。


「グルゥゥゥッ」


 苛立ちの唸り声をあげながら闇の矢ダークアローを避けるウェアウルフ。


「このままじゃ埒があかないな」


 とりあえず何とかウェアウルフの足を止めないといけない。


闇の荊ダークソーン


 でウェアウルフの行動を阻害しつつ、並列思考で維持し、今度は闇の荊ダークソーンをそのまま操って、


闇の拘束ダークバインドで動けない様に拘束っと」


 荊の棘が身体に刺さり、締め付けられて身動きが取れないウェアウルフ。


 そこに俺は投槍を物質化して、闇の弾丸ダークバレットを纏わせて投げる。


 闇の弾丸ダークバレットの貫通力と推進力を付与された投槍はウェアウルフを貫通し、魔石に変える。


 ドロップは鋭い爪だった。


 宝箱からは魔力ポーションが3本。

 おそらく、下級だと思う。



 8戦目を終えて、思った事は近接戦闘より中、遠距離からの投槍が強いなって。


 ここまで戦いに幅が広がると他の属性も欲しくなる。


 他の属性の感じを予想してみると、

 おそらく、火属性や土属性なんかは近距離が強くなりそう。


 風属性、氷属性は同じ感じ+近距離もこなせる感じになるのかな?


 雷属性に関してはオールラウンダーな感じ。


 予想がつかないのが、光、爆裂、空間。


 どう使うんだろうか。


 爆裂なんかは強そうだけど、自分も被害受けそうだから投げるかも。


 空間はどうなんだろう?


 イメージとして強いのは空間断裂だけど、これは周りの被害が凄そう。


 光は回復とかのイメージが強いなー。


 光については、アイツに聞くか。


 手に入ったらだけど…。



 あっ!そうそう、戦ってて思った事がもう1つあったわ。


 装備が手に入ったらって思ってたけど、武器が物質化できるんだから防具も作ればいいんじゃね?って。


 そもそもの俺の装備だけど、上は白のロングTシャツ下は黒のカーゴパンツに黒のコンバットブーツを履いている。


 軽装だけど、それなりに防御力のある服を着ているのでCランクまでなら耐えられるレベルで全身でお値段は大体100万円。


 ここに、防具やらを付けるんだけど俺の前の戦闘方法だと邪魔になるんだよね。


 一応、昔は革鎧は付けてたりしてたけど今の服を買って以来使ってない。


 それで、今回だけど物質化なら重さを感じないし魔法纏えば大丈夫なんじゃないかと思った訳で。


 とりあえず、胴体に合わせて想像で胸甲を物質化。


 続いて、両腕に籠手と腕甲を胸甲と繋げて一体化。


 これ全部を闇の棺ダークコフィンを纏って防御力を上げる。


 結界系だから大丈夫な筈だ。


 ただこのままだと、見た目が悪いことに気付いたので一度腕甲と籠手を解除する。


 そこに闇魔力を物質化で胸甲を付けているので袖なしのコートを作り、それを羽織ると再び、腕甲と籠手を作り装備する。


「個人的にはカッコいいとは思うけど、ゲームとかで出てきそうな装備だな。」


 男心を擽るいい装備になった。


 せっかくだし名前付けるか!


 まず、魔力装備だから略して魔装は入れるとして、次はシンプルに闇魔法を纏うから闇纏やみまとい、最後はそれなりの見た目でそれっぽい感じでいこう。


 魔装まそう闇纏やみまとい常闇ノ鎧衣とこやみのよろいでいいか。


 闇纏ってる装備だし、全身黒いしら何より俺が覚えやすい。


 後は、防御力だけどわざわざ攻撃を食らう必要はないよな?


 闇の棺ダークコフィンの硬さは分かってるし。


 とりあえず、このまま次まで戦ってみるか。



 9戦目、相手はミノタウロス。


 ミノタウロスは体長3mくらいの牛が2足歩行し、手に何かしらの武器を所持している魔物だ。

 基本は戦斧や棍棒、たまに大剣やハルバードを持っている。


 今回は自身の半分ほどの大きさの戦斧を所持していた。


 ミノタウロスは武器もそうだが、自身の角を使って突進をしてくる。

 それを避けるにしてもそこそこに速くてパワーもかなりあるので注意が必要だ。




 ミノタウロスは戦斧を下ろし、息を吸い込みそして


「ブモオオオオオオオオ!」


 咆哮をあげ、武器を持ち上げ角を突き出しながら突っ込んでくる。


 俺はそれをギリギリまで待って避ける。


 ミノタウロスは避けられたのに気付き、足で踏ん張り、勢いを利用して滑りながら身体の向きを俺の方に向ける。


「ブモオオオオオ!」


 もう一度、突進して来そうだったので、俺はその前に身体強化で距離を詰める。


 距離を詰めてきたのがわかったからか突進をやめ、戦斧を構える。


 俺はハルバートを物質化して、闇の槍ダークランス闇の刃ダークカッターを纏ってミノタウロスに打ち付ける。


 ミノタウロスはそれを戦斧で受け止める。

 闇の刃ダークカッターが付与されているハルバートの刃が受け止められる。

 武器同士を受け付けた轟音が鳴り響く。


 受け止められた俺はすぐに後ろに飛び去り、距離を取る。


 今日の感じなら叩き折るくらいは出来そうな感じだったんだけどな…


「あの戦斧もしかして魔武器か?」


 魔武器とは、不壊武器で魔剣や魔槍といった魔法効果が付いた物から切断・貫通などといった付与付きの武器の事だ。

 他にも、魔武器の上位みたいな聖武器なんかもあったり色々ある。


 俺のは擬似的な物なので本物との違いは不壊ではないので壊れるところ。


 まあ武器については後で倒した時に鑑定してもらえばいいとか思っていると。


 今度はミノタウロスがこちらに踏み込み上から戦斧を振り下ろす。


 俺はそれをさらに下がって避ける。


 ミノタウロスが振り下ろした戦斧が地面を叩き、轟音が鳴り、土埃が舞う。


 土埃が止み、ミノタウロスの姿が見えた。


 振り下ろした戦斧は地面を割り、少しクレーターができた


 そこから俺の攻撃はミノタウロスが武器で防ぎ、ミノタウロスの攻撃は勢いのあるものは避けて、それ以外は受け止めたり、カウンターを合わせたらしてダメージを与えていく。


 何度も武器を打ち付け合い、俺の武器が消耗してきたので後ろに下がり距離を取る。


「コイツ絶対C級じゃないだろ!」





 ーー補足ーー


 魔武器持ちは、武器の能力関係なしで1ランク上の系統になる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る