第2話 いさきの塩焼き
私のウチは共働きだからかマックとかケンタッキーとか、出前とかが多い。
たまに自炊もあるが、今日はいさきの塩焼きだった。
なんだか、黒っぽい体にどでーんとした姿。お腹の方にバッテンマーク。…何故か0点を隠している私を苛めているかのような、そんなお魚だった。
ゴマは相変わらずマイペースにカリカリを食べている。
それを見た私はゆっくりといさきのお腹をほぐして食べていた。
隣に座っている妹も実を言うとマイペースだ。
幼稚園でご飯を食べていると、みんなが食べ終わってもう片付けも終わっているのに、まだ食べているということがよくあった。
妹はネコなのかもしれない。
ご飯を食べ終わってジャイアンツの野球を見ているお父さんをちらっと見てからお風呂に入り、夜9時には就寝の規則がある我が家なので寝た。
次の朝、0点のテスト用紙を確認したらなかった。
ハッとして両親を見たら、いつもと同じ朝を迎えている。
しばらくしても、なにも言わない。
『…なんでだろう』
少し小刻みに震えている体を感じながら、普通に食事を済ませて支度をして学校へ行く。
いつも友達と登下校しているので、友達の家まで行った。
0点を取っても怒らない両親だったと知ったのは、それから随分あとのことだった。
(続く)
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