第25話 色彩感覚

朝焼けの渋谷の街を《青い》と表現した漫画があった。私にもそう見えた。街の静寂、ビル群の無機質な感触、そこにやってくる夜明けの青。でも、漫画の主人公が感じた《青》と私が感じる《青》は絶対に違う。私にはわかる。だから私は私の青色を探して絵筆をとった。それが世界を眼で見るということだ。

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