異世界転生して親に捨てられたら、噂の魔女に拾われました
エレメント
プロローグ
第1話
気が付くとそこはただ真っ白い空間であり、そこにいるのは俺と美形の少女だった。
その少女は言った
「あなたは死にました。」
と。典型的なパターンだ。これが異世界転生かと思う俺は一方で自分の死因がわからなかった。
俺は・・・なんだろう記憶の一部が破損している気がする。
「普通人間が死ぬと輪廻のサイクルに送られますが何かの手違いであなたはそのサイクルに送られなかったみたいです。それに関しては我々一同深く謝罪致します。」
手違いで俺はここにいるのかそう思うとなんだか自分が不完全なものに思える。しかも違和感は消えない。
「あなたが抱えている違和感は、我々が意図的に記憶を消したものです。」
そうなのかだから感情の起伏がないのか。自分でそれは納得した。また、相手に自分の心を見透かせれているということも理解した。理解できないのは自分の死因だけだ。
「あなたの死因は自殺です。あなたはこれから別に世界へと転生します。その世界では記憶も戻るのでご自分で自殺した理由はわかると思いますよ。」
自分の死因がわかったところで・・・まぁってところはあるけど。
「あなたは手違いで次の世界に行きます。我々はあなたに次の世界での特典を差し上げておきます。どうぞ次の世界でも頑張って生きてください。」
いい人?神?だったな。そう思った瞬間急速に思考が消えていった。
・・・・・・・・・・・・
知らない天井だ。俺はどうした?2つの記憶が頭を駆け巡った。よくわからない。
俺は高校でいじめられていた。それ以外は普通の高校生だった。いつからかいじめられていたそう思おう、体が思い出すことを拒否していた。
そして、美形の少女との会話。俺は記憶の整理がついた。そして、今の自分の状態を思い出した。
俺の手は白く柔らかくプニプニしている。そして、急速に眠気が襲ってきた。そのことから、自分が赤ん坊であることに気付いた。
◇◇◇~side:??~
「ちっ、なんで子供なんて産んだんだよ。」
「自分で考えなさいよ。世間体って言葉知らないの?堕胎させたら面倒でしょ。しかも孕ませたのはあんたでしょうが。」
醜く言い争っている男と女がいる。彼らは有名な宗教のシスターと有名な冒険者である。彼らはお互いに愛し合っていたが関係性ははっきり言えるものではない。
「うるせぇ!お前と会ってるのがばれると面倒なんだよ。お前の信者が押しかけてきたりよ。」
「あんたは冒険者なんだからいいでしょうが。」
言い争いはどんどんヒートアップしていく。彼らは人間の中でも汚物のほうだろう。
「まぁそれはいいとしてよあれどうすんだよ?」
「あれ?ああ、赤ん坊ねそこら辺に捨てればいいでしょ。そうバレることはないわよ」
「そうか。じゃあな」
「フンッ。後始末はあんたに任せるわよ」
彼らはその場から去っていった。彼らが産んだと思わしき赤ん坊を抱きながら・・・。
・・・・・・・・・
母親や父親はどこにいったんだろう。目が覚めるとそう思った。大体のラノベだったら母親の授乳イベントが起きるんだが。そういえばさっきの場所から移動している。また知らない天井だ、である。
どういうことだろう。それを嫌でも知ることになるのはもうすぐのことである。
しばらく時間が経った。やはり誰も来ない。冷たい風が強く吹き付けてくる中俺は薄々感づいていた。こんな細い路上に赤ん坊を置いているということはつまり・・・俺は捨てられてしまったというじょとだ、と。
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