呼び出し音の先
野栗
呼び出し音の先
これってもしかして……許されない恋?
聞いてないわよ。
聞いてないってば。
「明日また会えたら」って……
ねえ、どういうこと?
何なの?
眠れぬ夜。
明日なんか、待てない。
もういや!
ちゃんと話して! 今すぐ!
ースマホの上で、震える指先。
……
……もしもし? あたし……
……あの、どちら様ですか?
……あ、あの……
うちの人に、何かご用事ですか?
……すみません、代わって頂けませんか?
あのさ、あなた、本当にあつかましい人ね。
こんな真夜中に。
うちの人と、どこで、どんな出来事があったか知らないけど。
知りたくもないけど。
……すみません……
ただの鉄の塊になったスマホを握りしめて立ち尽くす闇の中。
トンネルの左と右、はるか先で微かに見えるふたつの光。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます