第20話
奴も笑って見せてきたよ。
机の中から取り出して来たのは、私のコルトよりも小さい拳銃だ。
銃身は細く先には銃口がない。
ペン先よりも30倍くらい太い先が見える。
先の色は無色透明。
例のペン先を拡大したら、このように見えるのだろか?
笑いながら奴は私に言ってきた、
「見て分かるように、ペン型のレーザーガンの50倍以上の破壊力がある。これからはこれを使ってくれ。使い方は今から教える」
「それを最初に言ってもらいたかったね」
「いいから聞いてくれ、使い方は至ってシンプル、このつまみでレーザーの広がる範囲を調整する。あとはトリガーを引くだけだ。それと、安全装置は銃床にあるこれだ。最後にお勧めだが、レーザー光の範囲は常に最小にしていた方が便利だ。狙いさえ外さなければ最高の破壊力になる」
「ありがとう、私の腕前を信じてくれて感謝以外に言葉がないね。それに、このレーザーガン、確かに使いやすそうだ。ところで質問したいんだが、どうして私の服や愛用の拳銃がここにあるんだい? それとネーサンって誰なのか私にとって知っておいて損はないと思うんだが」
「もう分かっていると思うが、ネーサンがあんたの時代から運んできた」
「そして、そのネーサンと呼ばれる人物が三日月屋の魔道士ってことで合っているかな」
「その通りだよ、あんたには予知能力以外の能力も感じるよ。で、ネーサンはトランスポートの能力を持っている。彼女はトランスポーターだ」
「お褒めのお言葉、ありがたく頂戴するとしてだ、もう一つ伺いたいんだけど、タイムリーパーとトランスポーターの違いが分からないんだが」
奴は愛想の良い笑いを浮かべて言ったんだ、
「タイムリーパーは者を召喚するが物を運べるわけではない。トランスポーターはその逆だ」
「なるほどね、そしてついでに言わせて貰えば、情報も運べるってことで怪しげな占い師までやっている」
「あんたがどういう言い方で表現しようとしているのかは分からないがね、ネイサンは魔道士だ」
「更に言えば、相手の縄張りに店を持っている諜報機関の人間」
「ネイサンは賢いんだよ。マスターや譲みたいにはならない」
「私はマスターに狡賢いと言われたがね」
「だから、依頼されたんじゃないのかな?」
「ああ、確かにマスターも、それを言ったよ」
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