第35話半裸の王女様
2回目の測定会が終わりそれから2日間の休みを挟んだ次の日、いつもの様に学園付属の寮から自分の教室へと向かった。
「あ、おはようルイスさん。体調は大丈夫?」
「ああ、カイか……アレから結構経ったんだが、まだたまにだが夜夢に出てくるんだ……あの……アイツ、そうアイツが!あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「お、落ち着いてルイスさん!ほら深呼吸」
「すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……。本当にすまないカイ」
「いや、いいよ。僕もあの日の事を思い出そうとしても、何ひとつ思い出せないんだからお互い様だよ」
他にもあの日魔法操作の測定会場に居たであろうクラスメイト達の変わり果てた姿がクラス内を占めていた。
例えばあそこで親指を咥えて幼児退行している人は、男爵家長男で将来は男爵になる筈だった、元はクラスのまとめ役をしていた人で。
その隣で黄色のローブを身に纏い何かよく分からない呪文の様なものを大声で叫んでいるのは、ゲーム本編で僕にヒロイン達の好感度や攻略の為のヒントをくれて、そして今は僕の気の良い友人だった人物だ。
そんなこんな狂った教室で、ルイスと話していると教室の扉が開かれた。
そちらの方へと振り返るとそこにはアイリスの姿があった。
「あ、おはようございますアイリス様…………!?」
教室に入って来たアイリスはいつもの様に無駄に目立つゴテゴテした黒いローブを着ており、いつもなら変な格好をしていて目立つものの、今は逆に数名のクラスメイトが黄色いローブを着て暴れているため、単に黒のローブを着込んでいるだけじゃ、今はそこまで目立たなくなっていた。
そう単に黒のローブを着ているだけでは……
改めてアイリスの姿を見ていると、いつもなら大声で変なポーズを取っているはずなのに、何故か今日は顔を真っ赤にさせながら体を小刻みに振るわせ、いつもは無駄にヒラヒラさせているローブの前を手で内側から閉めていた。
「あのアイリス様どうかしたんですか?様子が変ですけど?」
「………………。」
「ほらいつもみたいに何とかの力を封印してる!ってやつやらないんですか?」
「ふっふふふふ……ふはははは!そ、そうだな……か、カイの言う通りだな……。よ、よし!い、いくぞ………………!」
何だかいつもとは違う感じにアイリス様が情緒不安定になったかと思えば、いつも通り黒のローブから勢いよく手を突き出しローブをなびかせた。
「み、見よ!こ、この右腕に封印されし力を!」
「な!?なんて格好してるんですかアイリス様!?」
「そうです!どうしたんですか?」
「皆んな!アイリス様がご乱心だ!」
「アイリス様!!!」
黒のローブの中に隠れていたのは制服を着たアイリスでは無く、白く透き通り恥ずかしさからか全体的に赤みがかった肌に、テラテラと汗が吹き出しいやらしさを感じる。
そしてそんな肌にほぼ無い布面積の黒のマイクロビキニが、男子生徒の息子を刺激させた。
そしてカッコつけたはいいものの、思っていたよりも恥ずかしかったアイリスは、口をあわあわと開いたり閉じたりを繰り返し、目から大粒の涙をカッコつけたポーズのままボロボロとこぼした。
「あ、あの……アイリス様?」
カイの困惑に満ちたその声で限界に達したアイリスは、勢いよくローブで前を隠すと、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして、顔からは湯気を出しながら教室から勢いよく飛び出した。
「うわぁぁぁぁぁん!!!やっぱりむりぃー!!!」
「あ、アイリス様ァァァァー!!!」
そのまま廊下を走り去ったアイリス様は、その最中何度か自分のローブを踏んで顔から転んで、数回廊下を歩いている生徒達に自分の半裸姿を晒して、泣きながらその日は帰宅した。
その日国のトップである王族の1人であるアイリス=トワイライトが、校内を半裸で走り回ったのを見て例の事件で狂っていた生徒の内何人かが、あまりの衝撃で正気に戻った。
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ここまで読んでくださりありがとうございました。
よければ、応援♡やレビュー★★★にコメント等をして頂けると、モチベーションの維持向上にも繋がりますので、是非よろしくお願いします。
何故か1年のはずのアイリス様と2年のカイとルイスが同じクラスになるという、ガバと言うかバグが発生していますが、それはアイリス様が飛び級した的な感じだと思っておいて下さい。
ノリで書いてるので設定ミスしてすいません
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