性別のない世界。

荒川 麻衣

第1話 われわれは、魚。

 我々われわれまえに、見目麗みめうるわしいわかおとこがやってた。


 死神しにがみである。


 おとこである、と自称じしょうしたことにより、我々われわれはそろってつかまった。


 なお、このくににおいては、性別せいべつつことは違法いほうであり、すべての人間にんげんは、「人間にんげんらしく」きることをもとめられる。


 たちがわるいことに、おとこらしく、こいつを街中まちなかつけて、よろしくやっていたら、つかまった。


うしろのあなさがしていたら、

 牢屋ろうやにぶちこまれた』

ってわけだ。


 最悪さいあくなことに、性別せいべつのないくにだから仕方しかたないとはいえ、おとこおんなもいっしょくたにはいっており、むんむんとした、おんな香水こうすいではない特有とくゆうのにおいと。


「あら」


 装飾過剰男ドラァグクイーン化粧品コスメがあちらこちらにころがっており、おかげで、白粉パウダー口紅ルージュおれたちのあいだをしている。


 さかなる。


 「おれねこか」


 もう何日も、ミートくちにしていない。


「カリカリしているから。

 カルシウム補給ほきゅうして」

と、そこね相手あいてならのありがたい助言アドバイス

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