待ち望む

 首が随分と長く伸びてしまった。


 いやはや、まさかこんな事になるとは。

 友人と約束をしていたのだが、待てど暮らせど相手が来ない。

 東からか、いやひょっとしたら南だろうか。北かもしれない。それともやはり西か。遠くを見渡そうと背伸びをして、高いところからよくよく見ようと首を伸ばしていたら、そのまま伸びてしまった。

 何か困ることがある訳では一切ない。

 ただ、それでもまだ友人が来ないのだ。

 このままでは雲の上まで届いてしまうかもしれない。そうなれば流石に不便を感じるかもしれない。足元が見辛そうだ。


 ああ、友よ。


 早く来てくれないだろうか!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る