屋内型複合レジャー施設にて 27

 とりあえず休憩スペースへやって来た一行、各々成績を回し読みしているうちに、涼香りょうかは優勝者の紗里さりに賞品を渡そうとする。


「持っていきなさい!」

「ありがとう、みんなで分けてもいいかしら?」

「委員長が決めるといいわ」


 このお菓子はもう紗里の物だ、どうするかは紗里が決めればいい。


「それなら分けさせて貰うわね」


 涼香が乱獲したおかげで、一人一景品渡しても余裕がある。


若菜わかなはチョコでいい?」

「うん!」


 紗里と共に車で来ている若菜はチョコだ。


「はい、涼香ちゃんはスルメイカね」

「分かっているではないの」

涼音すずねちゃんは――」

「あたし余り物でいいですよ」

「そう、それじゃあ……」

「あたしポテチ欲しいでーす」

「はい」


 と、それぞれ希望の物を渡す。


「私も貰ってよかったんですか……?」

「いいだろ、夏美なつみも参加したんだし」

「遠慮せずに持って帰ってね」

「あ、はい」


 そうして全員に配り終えたところで凜空りくが言う。


「これからどーすんの? あたしはせっかくだし、まだ遊んで帰るけど」


 時刻はそろそろ夕方に入る、まだまだ遊べる時間帯だ。


「私と涼音は帰るわ」

「私と紗里ちゃんも帰るよ。ゆずは?」

「ウチはまだいようかな、日が沈んで涼しくなるまで」

「夏美はどうしたい? あたしは帰りたいけど」

「あっ、じゃあ帰ります」

「それならわたしも帰るー」


 残るのは凜空と真奈まなと柚の三人ということだ。


「おっけい、解散ね! じゃあ三人でカラオケ行こうぜい!」


 その一言で解散の運びになる。


「涼音、帰りましょうか」


 右腕を抑えた涼香が涼音を促す。


 暑い中帰るの嫌だなあ、と思いながら仕方なく涼音は頷くのだった。

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