第14話 RPG風

 花粉症の時期の話。


「昨日から発熱はありませんか?」

「声枯れや喉の痛みはありませんか?」


 耳鼻科の受付の方が、次から次へとやって来る患者へと声をかける。

 何度見ても同じ場所で。


 声をかけられた患者はといえば


「はい」

「ありません」


 これまた同じように答え、流れ作業のようにして、待合室の空いたソファへと移動して座る。


 なんかこれ。

 RPGのゲームみたい(笑)。

 花粉症の時期だからかな。


 たまーに、違う答えをする人は、勇者なのか?

 と、見てみたら。

 ご年配の婦人だった。


 間違いなく、『勇者』ではないと思われる。

 杖をついたご年配の勇者って、なかなか無い設定だもんねぇ……

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