誰かだった誰かへ言いたかったこと

◇メモ帳機能に残された文書◇



踏み込みのは怖いかい

当たり前だ

新しいことをするのは怖い



悪いが違うのは当たり前だろ。

俺らはあんたじゃない

それであんたらは俺らじゃない

わからなくて当たり前だ、他人なんだから

俺らはあんたらの種と卵と、そっちの肚で生まれただろうが

母と父が子供自身ではない様に

俺らとあんたらは同じじゃない




長く伸ばした髪は確かに憧れではある

ただ、その真価は頭を垂れた時にわかる

俯き、前髪と言わず四方髪が顔を覆えば、

そこにあるのは、柔く滑らかでよい香りのする壁だ

全てが静かな黒で覆われ、心の内も隠す

そこでどんな顔をしたとしても

何者にも干渉はされない

夜よりも温かく、他者よりも柔らかな

己の揺りかごになるのだから

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