第8話 地獄のドライブ

日曜日、三葉と道流の姉妹は、地獄だった。

国産メーカーのセダンが、山埜家の愛車だ。

席順は、くそ親父が、ドライバー。

助手席、三葉、

後部座席右側、母親

後部座席左側、道流

真ん中、愛犬シズク

このような配置で、毎回地獄のドライブなのだ。

なにしろ、くそ親父の運転は、事故を起こしそうなレベルなのだ、

時々、三葉が、その問題の人物に、指摘、注意等を時々している。


「さぁ~ドライブに行くぞ♪」


ウキウキしながら、ドライブの提案をしたのは、

山埜家のトラブルメーカーであり、

母親からは、ATMと呼ばわりされている上に、

姉妹からは、完全に嫌われてくそ親父と呼ばれている。


「「オトウサン、チャント、安全運転で」」


姉妹は、鬼の形相で、くそ親父をにらみつけながら、怒気を込めて言い放った。


が、くそ親父には。


「おう、任せとけ、安全運転が、俺の役割だ、ガハハ」


効果は、全く無かった。


「貴女達、無駄だから、諦めなさい」


母親から、そう言われた、姉妹は、くそ親父を睨みつけながら、シートベルトをした。


「全員、ベルトをしたな、じゃあ、車を出発させるぞ」


くそ親父の号令に、姉妹は、だるそうに、そして、怒気を少し含んだ返事をした。


そこからは、地獄のドライブだった。

くそ親父の運転は、とても、安全運転とは言えない程かけ離れる運転の仕方だった。

どんな内容だって?

では、その一部を教えよう。

単線のとある国道上を走行中コーナーに差し掛かった。

普通は、コーナーに合わせてスピードを調整し、ハンドルもコーナーに合わせるのだが、このくそ親父の運転はと言うと、コーナーが近づいても減速は、

せず、ハンドルもコーナーギリギリ、もしくはコーナーに入ってからなのだ。

その為、同乗者には、かなりのGが掛かっているとも知らずに、

くそ親父は、自分の理想通りの初心者以下の、

激下手くそコーナーリングをするたびに、

くそ親父が、同乗者に、「どうだ、今のコーナーリング上手いだろ」と自信たっぷりに聞いてくる上に直線では、交通の流れが早いところでは、

その流れについて行けず、遅れてしまい、必ず先頭車になる。

信号待ちをしている車がいるにもかかわらず、

ブレーキを安全距離で踏まず、三葉が「ブレーキ」と言わなければ、

ブレーキをくそ親父は、踏まないのだった。

その為、山埜家では、くそ親父のロングドライブの後日は、

姉妹と母親は、数日間体調不良を引きずる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る