026 予兆

「あ、六月六日か」

「何かあんの?」

「親父の誕生日」

「プレゼント買い忘れてた、とか?」

「や、それはいいんだけどさ。毎年、古い映画観るんだよ」

「キツいな」

「いい加減、内容も覚えてるし家族全員で観るってのもダルいし」

「何て映画?」

「『オーメン』。親父、夕方の六時に産まれたのに」

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