セイント・ソード・ストーリー ~聖剣使いマルスの英雄譚~
哀原正十
プロローグ
後付けプロローグ
今から2年前。俺は聖剣に選ばれた。
聖剣は選ばれしものの元へ光と共に現れる。その伝承の通り、聖剣は俺の元へと光と共に現れた。
当時の俺は聖女アリアのパーティの一員の、勇者でもなんでもないただの一剣士だった。世界一の、という枕詞つきのだが。パーティの仲は良好で、なんの問題もなかった。
聖剣が現れるまでは。
その日、俺は宿屋の一室で一人でベッドに横になっていた。俺は寝るときはなるべく一人で寝たいタイプなので、一室分の代金を自腹で払って借りていた。いつもなら金の節約でガスキンとブレイドと同衾するのだが、その日はダンジョン攻略をこなして疲れた、なるべくゆっくり休みたかったのだ。だから一人部屋を借りた。
ベッドで雑魚寝してうとうとしている俺の前に、本当に唐突に聖剣は現れた。目の前が光ったと思ったら剣がベッドの上に転がっていたのだ。一瞬新手の襲撃かと思った。
だが、突如現れた剣のこれまで見たことのない強力な気配を見て、俺は聖剣の伝承を思い出し目の前の剣が聖剣であることに気がついた。そうと分かってしまえばもうそれ以上の驚きはなかった。突如出現したことには驚いたが、世界最強の剣士たる俺が聖剣に選ばれてのは自明の理過ぎたので驚きようがなかったのだ。実際、聖剣に選ばたしな。
だが、それが地獄の始まりだった。
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