「幻転」

ねこ

完成形 読むならここから

第一章

痛い。ただそう思い、眠った


「……ここはどこだ?」

目を覚ますとそこは「縺ゥ縺薙°」だった。この前同じような事があった。まあ、そのことについてはまた今度話そう。

周りを見渡すと少しだけ家がある。ただ、今はあれだ…腹が減りすぎて倒れそうだ。そう思い、また倒れて眠ってしまった。


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「大丈夫ですか?」

その一言で僕は目を覚ました。だが、僕はまだ夢の中なのかと思ってしまった。助けてくれた人には獣みたいな耳と尻尾が生えていたのだ。

「あなた誰ですか…?」

「私は琴音です。」

「いや、その耳や尻尾は?」

「ああ、私は狐なんです」

少し意味がわかったようなわからなかったような感じだ。

「ここはどこですか?」

「そうね…あなたに分かりやすく話すと、異世界?みたいな感じよ」

そうか…とあっさり受け入れれる自分が不思議に思える。前の世界でもあったことを話してみる。

「自分も琴音さんみたいに人間をやめることはできますか?」

「何言ってるの?もうなってるわよ?」

頭を触ってみる。耳があった。意味不明な位置に。


「本当だ…」

前の世界ではあり得なかった…自分から話さなくても人間をやめている。

「もしかして、前の世界では人間…とかだった?」

まあ、合っているのでとりあえず頷く。

「そうね…まあ、ここに来たから人間じゃなくなったのではなく、自分が人間を辞めさせてあげたんだけどね。それで良かった?」

そこから5分ほど少しわからない話を聞いた。その話の一番重要だったのは、この家に住んでも良いが、人と話すときは狐らしく話してというものだった。

少し意味がわからないが、それをこなして暮らしていこうと思う。


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「どうだ、うまくできているか?」

「まあまあ順調に行っているようです」

「このまま続くと…まただな」

「そうですね。親方様…」


「…」

正直言って、人間をやめたからといって何かが起こるということもなかった。

「前の世界では…まあ、思い出すのはやめておこう」

琴音さんも用事があるといってどこかに行ってしまった。

暇なので、自分の体(詳しくいうと毛だけど)を触ってみた。

「えっ」

自分は驚いた。想像してた3倍以上柔らかく、そして気持ちがいい。

そして数分ほど夢中になって触っていると、

「やっぱり初めはそうなるわよね」

後ろに琴音さんが立っていたのだ。

「いっ,,,いつの間にいたんですか?」

「数分ほど前、言い方変えれば初めからだね」

「恥ず…」

触ることに夢中になっていた自分が本当に恥ずかしい。

「大丈夫わよ。私も狐になってから初めはそういうことに夢中になっていたから」

この発言に気になった所があったので聞き返してみる。

「狐になってからって、元々は人間だったんですか」

「まあ、昔は人間だったと思ってもらっていいわよ」

「詳しく教えてくださいよお」


「まあ、何て言えばいいのだろうねえ」

「そんな悩むようなことなんですか?」

実際、今まで琴音さんと話していて、ほとんどの場合は即答だったりすぐ答えてくれていた。しかし、この会話ではこうだ。

「わかりやすくいうと、元々の世界で死んでしまって、生き返ったらここだったの。で、そこには妖怪(狐)の師匠がいてね、その方が提案してきて人間をやめたの。」

「ちょっとわかりやすかったと思いますよ?」

これは本当に思っていた。そしてその後琴音さんは外出していった。

まあ、その間はいつもと同じようにのんびり生活していた。


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「ちょっと確認してもいいのか?」

「いえ、それは…」

「そんな確認されたくないような成績を出すな!」

「はい,,,すみません…」


「はあ…」

琴音さんが出かけてからやる事がなくなってしまった。

まあ、また触り続けてもいいのだが、飽きてきた。

「たまには外出するか…」

そう呟き、外に出た。


「そういえばここにきてから外に出た事がなかったな。何だっけ、狐のような言い方だっけ?」

一応、琴音さんの発言は覚えてはいたが、正直どういうことかわからなかった。

とりあえずは、意識してみよう。

「こんにちは…新しい方ですか?」

「はいそう…ってあなたは?」

「私はルイです。まあ、見ての通り黒猫ですが」

「あ、はあ…」

ここは妖怪の村みたいな感じなのか?めっちゃ人外出て来るんだが。

「とりあえず、よろしくです」

「君は狐かい?」

「はい。琴音さんって…わかりませんよね…」

「え…あの琴音さん?」

何で知ってんの?


「こ、琴音さんのこと知ってるんですね」

「まあ、近所だからな」

正直、ここら辺では知名度ないのかなと思った。

「ということは、君は琴音さんに狐にされたのかい?」

「はい…多分そうです」

「で、人間をやめてみてどう思う?」

「まあ、正直にいって変わったところはないですね」

「外出した事がないんだから当たり前だよな」

この人、めっちゃ話しかけて来るやん、そう思いながら数分ほど会話が続いた。結論、ただの話でまあ仲良くはなれたと思う。

「じゃあ、また会おうな」

「お大事に」

そろそろ家に帰るか,,,でも正直やる事がない。

もう少し散歩してから帰ろうと思った。


そして、自分は少しぶらぶら歩いて(回り道?)帰ろうとした。

まあ、ここらを歩く人がいない森林みたいなところだから、暇だ。

そして歩いていく。


...


...


「んっ!...」

何かが腕に当たった気がする。腕を見てみると何かが刺さっている。

急にめまいがする。やばい、これはまえのせかいであった...

そう思い、倒れてしまった。




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