ホラー&パラノイア文体練習『私はまだ部屋の中』

夜6時頃に仕事場から帰宅すると、向かいのマンションに消防車が数台止まっていた。

どうやらボヤがあったらしい。ひそひそと話をしているのが聞こえた。


私には関係ないや。エレベーターのボタンを押してコンビニ弁当が入った袋をゆらゆら揺らしながら9階のボタンの光をボンヤリと見つめる。私。


ヒールが転がった玄関口から、ジャケットをソファに放る様に掛けて、カーテンに手を掛けると、向かいのマンションの一室が目に入る。

あっ… ちょうど向かいの部屋の近くなんだ。

その程度の感覚。私に関係ないしな。ピッシャっと閉める。

ここからは飯を食べて風呂に入って床に就く。それだけ。

余計なことなんてなぁんも考える容量がない。

日々に追われて始まって終わるその程度で良い。それが私のスタンス。

そんなどうしようもない思いが頭をぐるぐると巡りながら、ボンヤリと支度を終わらせ、電気を消して、ベッドに潜り込んだ。




あっ…まぶしい感覚がする。カーテンの隙間から光が目に当たっているのが分かる。

生理現象的に目が開く。白いベッドに横たわっている私。

あれ?布が肌に擦れる感覚…裸?思わず部屋を見渡そうと首を横に傾けると、見覚えのない男が隣で寝ていた。誰?

男は上半身裸、下半身は白いシーツに覆われた毛布で隠れていて見えない。

反射的に目がわっと見開かれる感覚がして、思わず飛び起きた。

知らない部屋だ…どこ?

間取りは似ているのに白を基調としたミニマルな家具に囲まれて男と寝ていた。

頭の中に恐ろしい空想が蠢き出して止まらなくなり、裸のままに一部屋ずつ周って確認しようとしている私。

恐らくこっちは玄関口に繋がるドア…。似ている…けれど、違う。

同じ間取りだが内装はハッキリと分かる違いがあった。

どこ!?混乱する頭で嫌悪と奇妙な感覚と酩酊?

何?どうした私!

目を見開いたまま現在を受け入れることが出来ずに呆然と虚空を見つめていた。あぁ…あぁ…力ない摺り足で体は自然と窓から差し込む光へと向かっていた。

その瞬間にもあれやこれや考えてはいけない様な感覚を想像してしまい、足先から頭までジンジンと痺れを感じているのが分かる。

外を見なくちゃ…。そんな気持ちに駆られた。

そう、外を確認すれば何かわかるかも。

一筋の光に希望を重ねて全裸のまま呆然と足が進み、カーテンに手をかける私が居た。

弱弱しい力でゆっくりと景色が開かれていると、眼前には見覚えのあるマンションがあった。

あ…私ん家。

少し開いたカーテン隙間から見える景色の真正面に私が住んでいるマンションが建っていた。

頬を抓った。痛くなかった。あっ…夢だ…。と思った。





早朝、ひどい寝汗をかいて起きた。朝5時半だった。意外とそうでもない時間だなと冷静な自分がいた。

この日は特段変わったこともなく淡々と事務作業を熟して定時に帰宅できた。この日も帰宅路にあるセブンに寄ることにして、たまたま目に付いた夕食用の太麺がっつり次郎系のコンビニ弁当を買った。

なんかがっつりいきたい気分だった。背筋に嫌なものを感じる悪夢を見ただけで一日通して極めて平坦だった。なあんも起きない日常。

職場では目じりを緩ませてにこやかを装っていても、帰宅途中からだんだんと眼鏡の内側に死んだ魚のような目が蘇ってくる。なあんも問題が起こらない、いつもの私。

マンションのエントランスに向かう前にをちらりと斜め上を見上げた。あそこ…らへんかな…。自室の真向かいの部屋は。

心に波は立たないままに自室に足を運ばせ玄関に鍵を差し込む。

玄関口にヒールを転がして、雑にジャケットを放り、その辺に転がったままのメガネケースに一応という感じで眼鏡をしまう。シャワー・食事・就寝。なにも変わらなかった。






ふわっとした感覚がして、もしかしてこれは夢…?って感覚がした。

目の前に洗ってないモップみたいにぼさぼさで如何にもめんどそうな面相の男が立っている。

靄がかかったような感覚で微かに聞こえる「ちょっとくらい貸してくれたっていいじゃん。ちゃんと返すからさ」そんな感じの内容が聞こえてくる。

私の視点には唾棄すべき様相の髪色だけはいっちょ前にブラウンがかった色味に染めている男が写っていて、この感じだと金銭でトラブってる感じだった。

「何回もいってるじゃない!もう無理!もおうもう無理!無理無理!」

あたしは髪を搔き毟りながら泣きじゃくって無理無理と連呼している。


私は人の視点を借りた人ごとの感覚で、こんなんと付き合ってるからしゃあないでしょ…。と冷めた視点でやり取りを見ている感じだった。

もういいから…やめてくれ。もう終わってくれ。みたいな。

さっさとこの夢から醒めて欲しいという感覚で一杯だった。

その時にふと、ある考えが頭を過った。あぁ…。この人、火つけたんだろな。と。


あたしは頭を掻き毟りながら混乱していて視線がぐわんぐわんと揺れ動く度に、視線の横にちらりと映るベッド脇のサイドテーブルに置かれた白いマグ。

レギュラーサイズで頼むと出てくるような、どっしりとした真っ白のマグカップはこの男の頭部に振り下ろすにはちょうどよさそうな形状だと感じた。

そう感じた。


なるほど。あたしはやっちゃったのか。


夢の中で変な納得をする私が居るのが分かる。あたしと私はリンクしていて心の奥の芯の深く深くから刺すような苦しい感情湧き上がってくる。

わかるよ。その気持ち。そんな感覚で意識が薄れるのを感じた。





翌朝。冷や汗でぐっしょりと湿った寝間着を洗濯機に放り込み、浴室に雪崩れ込んでシャワーを浴びた。

意識は冷えていて、とりあえず汗流して体の火照りをとって出勤時間に備えなきゃな。そんな段取りを頭の中では考えながら、シャワーヘッドから流線形に流れ出るお湯を眺めたり、噴出孔のボツボツをただボンヤリと見つめたり。


まだ朝6時。この時間に洗濯機回したら近所から苦情物なのでタイマー&乾燥の設定して、朝食はコンビニで適当な菓子でも買って…。

心はこの家の外に在るような感覚で、ただただお湯に打たれ火照りを流し払っていた。


出かける前に太陽光を入れて少しでも部屋を乾燥させようとカーテンを開いた。

見るともなく目に入る向かいのマンション。向かいの部屋が目に入る。


頬を抓ってみた。痛かった。やっぱそうだよな。ちょっとだけ、ちょっとだけ、思ったことがある。部屋に光を入れるなんてのは言い訳で、向かいの景色を確認したかっただけなんだろな…なんて。


この日は帰りが少し遅くなった。交通機関の引っ掛かりで遅くなっただけで、それ以外は至って普通な日常だったのだが、私的には少しイライラしていたような気がする。コンビニに駆け込んで菓子パンを一・二個買って、さっさと帰ってベッドに蹲りたい気分だった。


日も暮れて辺りが真っ暗になる時間帯の帰宅はどことなく嫌で怖かったから。


苛立ちから俯きがちにマンションへ歩き近づくと、チカチカと赤いランプが点滅して壁に反射しているのが分かった。

我に返ってパッと視線を上げると、向かいのマンションに消防車が止まっていた。

えっ…また?と思ったものの、そこまで大ごとな感じではなく、野次馬もいなくて消防隊員がまばらに撤収作業をしているのが見えた。

なんだ…ボヤか…。その確認が済むと頭の中はベッドへ一直線の手順確認で一杯になった。

もう寝たい。休みたい。

何から休むのかはわからないけど、とりあえず今日は休みたい。

乱されるのは嫌だったから。

気づいた時には毛布にくるまって意識が遠のくのを感じていた。ここまでの手順なんてとうに忘れてしまっていた。







意識が上がってきた。はあ…はあ…と荒い呼吸音がボンヤリとした意識の中で聞こえてくる。

白を基調とした家具に赤い斑点模様とぬめっとした液体が床のそこらに溜まっていた。


男は予想通り倒れていた。急に後ろから殴られたことが分かるような体勢で突っ伏していて、後頭部は柘榴の様にひしゃげていた。床に転がったマグは真っ赤に染まっていた。

予想外だったのは、キッチンバサミを握っていたことだった。白い持ち手が血液で深紅に塗られている。

あぁ…それ程に嫌だったんだな。溜まってたんだなと。男の着ているTシャツには無数の穴が開いていて、ズタズタになって真っ赤に染まっていた。


俯瞰した意識であたしのことを憐れんだ。返り血で赤く染まった白いワンピースを引き摺りながら部屋をうろうろと彷徨っていた。凶行の行く先が分からないままに犯してしまった悲劇。


私は思った。こんな男はいつかこうなる運命だったんだよって。それが偶々あなたに当たっただけだって。だから、あなたは落ち着きなって。


冷ややかな私はあたしを宥める様に、昂り動悸で荒くなった呼吸をおさめていった。こんなん全部燃やしちゃいなよ。って。向かいに止まった消防車の赤いランプの点滅を浮かべながら、そんな風に思った。


全部清算して楽になっちゃいなよって。こんな場所に意味なんかないって。こんな部屋に意味なんか、こんな人間に意味なんか、こんなマンションに意味なんか、最早ないんだよって…。


そう私が感じると昂りが収まるのを感じる。


同時に手足の自由が利くようになっていく。


たしか、石油ファンヒーターがあったような気がする。裸で部屋を見渡した時に目についた真っ白の高級そうなヒーターを思い出した。

ちょっと異質な感じがしたから白物で揃えるならエアコンでいいじゃんって。寒がりなんだろなって。


男が転がり込んでも徹底して白の世界を統一する感覚はなんか分かる気がしたから。ぐちゃぐちゃになって一生片付くことのないだろう私の部屋を思い出して、少しうらやましく思ったから。

わたしのことが羨ましかったから。

自分を大事にしている感じが漂ってくる統一感が。


ポリタンクはクローゼットを順番に開けていったら意外と簡単に見つかった。

さすがにこれは真っ白くできないよなと思いながら、赤い色をした注入口に長いホースのついた見慣れた形のポリタンクを軽く持ち上げてみて量を確認してみる。意外と残っている感じがする。


これだったらこの部屋どころか、うまくやればマンションごとでも燃やせそうな気がするなって。そんな突拍子もない考えが浮かんだ。

こっちのマンションは建ってから日が浅いから使われてない部屋が幾つかあった気がする。


隙間…。隙間があれば、そっから誰もいない部屋の中にでも軽く撒いてボヤでも起こせるんじゃないかなって。そんな無茶な計画成功する訳ないけれど、管理会社の適当っぷりは向かいに住んでるだけあってなんとなく分かる。管理人も常駐してないし、防犯カメラの設置も行き届いていなくて死角は多い…。


そんな考えを巡らせながら、とりあえず異臭を防ぐ為に真っ白なバスタオルを使って這い回りながら床や家具に飛び散った血液を吸い込ませていた。

異臭はタオルをビニール袋に入れれば数日は大丈夫だろうか。死体は…。

よくわからない。解体?できるの?私に?でも、頭の中でヒントが繋がっていく感じがした。


数度訪れた消防車。ボヤは悪戯だろうと決めつけている様な消防官の怠惰な表情を思い出す。


もしかしたら…。もしかしたらだけど…テストしてたのかもしれない。ボヤを起こしてもそんな大事にならないんじゃないかって。


管理会社の怠慢と近隣住人の反応、消防や警察の反応を見る為に軽度の悪戯レベルの火起こししてみたのだと。案の定、警察は来なかったし消防も燻ぶった程度の火遊びで駆け付けてウンザリしていたんじゃあないかって。


あぁ…。そうやって隠蔽して、最終的にこの建物ごと葬ってしまえば、遺体と私の存在も有耶無耶になるのかもしれない。

思いっきり焼き払って仕舞えば遺体の確認なんて難しいだろうし、検死うんちゃらが終わるまでにはかなりの時間がかかるだろうし…。


万が一嗅ぎ付けられても、逃走手順は用意し熟知できる余裕はたっぷりあるんじゃないか…って。

私には土地勘もあるし、ある程度なら監視カメラなんかがない路地までの経路も知ってるつもりだ。女性が夜道を歩く時に使う道の逆手を使えば、それこそ誰の目にも触れない道程が完成するんじゃないかって。


殺人の隠蔽の為に忙しなく体を動かしながら、同時にそんな考えが頭をぐるぐる廻っていた。


かわいそうなあたしを私は救ってあげたい。何故なんだろう。面識もない彼女に投影してしまうのは。境遇?なんか違う。多分、私がゾクゾクしているんだ。

あたしは愚かだと感じてた。腐った男と付き合って金をせびられて依存して泣きじゃくって。


でも、私の心の中も同じなのかもしれない。

怠惰で変化がなくて求めるものが無くて社会的な活動以外は無視する生き方を選んだのは、私が恐れているから。


不確定な捕食者に食い物にされたくないから、女として淡々と生きて、必要になったら婚活サイトでも開いて都合のいい男を探して所帯でも持てば、不必要な感情や感覚に振り回されなくて済むから。


職場で振り撒いている愛想の良い偽りの私。偶像の女性像にウンザリして、自宅に帰っても雑に拵えた巣のような感覚がして、家に帰る意味なんてなかった。


その私の怠惰な悲劇を通した視点で、あたしは冒険して依存して苦悩してめんどいクソに捕まってぶち壊されそうになっている。


投影していた。いつの間にか。わたしを。

彼女を救う為に行う事が、私を救うような気分に駆られていたのだ。


着々と頭に巡らせた計画を実行に移す為の計画を練っていく。実行方法を体現していく。


解体にはどのくらいかかるのだろう。道具はどうしよう。匂いはどう解決しようか?


そんな反社会的な計画を練っていると、次第に昂りを感じて高揚し溌剌としてきた。


生きてる!。生きてるってこんな感じ?初めて感じたようで何故か嬉しかった。


嬉しい気持ちが湧き上がってくる不思議で異様で自身の奥底に隠された欲望を垣間見た気がした。


あくまでも、あたしを。彼女を救う為の疑似的な妄想。


何故なら。これは夢だから!

そう!夢だから!ロールプレイの様なものだ。哀れな女性を救い出すことで、自らの根底に根付くカオスを癒せるような…。

そんな機会は二度と訪れないだろう。


次第に、次第に、のぼせ上がる様に気分が高揚して、心に一筋の光の梯子が架かったような充足が全身に行き渡る感覚に支配されていった。


あぁ…。なんてすごい体験なんだろう。エクスタシーのような倒錯感覚。

このままいってしまいそうだ…。恍惚として意識が飛んで行ってしまうような感覚だった。


体を動かせば動かす程に恍惚は増していく。同時に、あまりの快感に意識が遠退いていった。


これがわたしがのぞんでいたもの。


そんな充足感で一杯になりながら。意識を失っていった。そろそろ夢から醒めるのか…。

私は私の根底を知った気がして、とても満足した。夢よこれならいつ醒めてもいいよ。


あたしよ私を救ってくれてありがとう…。意識が完全に薄れていった…。












あっ…まぶしい感覚がする。カーテンの隙間から光が目に当たっているのが分かる。ベッドに横たわっている私。布が肌に擦れる感覚…裸だ。昨夜は、疲れ果てて、もうどうにでもなれって思って、また異常な夢を見てやろうかと、全て脱ぎ捨ててありのままの姿で寝てやろうと思ったんだったっけ。寝酒もちょっと効いてたので細かく覚えてなかった。

あっー…これは寝過ごしたかなと、サイドテーブルに置いてある目覚まし時計を目をやろうと首を横に傾けると、見覚えがある男が隣で寝ていた。


え…?うそでしょ?ぼさっとした寝癖をつけたブラウンの長髪の男が上半身裸で横たわっていた…。


反射的に目がワッと見開かれる感覚がして、思わず飛び起きた。ここは…知っている部屋だ………。


嘘?私の部屋と間取りは似ているのに、白を基調としたミニマルな家具に囲まれてあの男の隣で寝ていたんだ…。


頭の中に恐ろしい空想が蠢き出して止まらなくなり、裸のままで一部屋ずつ周って確認しようと動き出す自分。恐らくこっちは玄関口に繋がるドア…。似ている…けれど、違う。私の部屋とは完全に似ているようで違う…。同じ間取りだが、汚れを一切感じさせない純白の内装で一瞬で判別できる…。


ここは…あそこだ…。


嘘…でしょ…?混乱する頭で異様と奇妙な感覚と酩酊?何?どうした私!

目を見開いたまま狂った現在を受け入れることが出来ずに呆然と虚空を見つめていた。何が起こったのか受け入れられなかった…。


あぁ…あぁ…。力ない摺り足で体は自然と窓から差し込む光へと摺り寄っていた…。

その瞬間瞬間にも、あれやこれや考えてはいけない考えを想像してしまい、足先から頭までジンジンと痺れを感じているのが分かる。


外を見なくちゃ…。そんな気持ちに駆られた。そう、外を確認すれば何か理解できるかも。

窓の隙間から差し込む一筋の光の希望を胸に全裸のまま呆然と足が進みカーテンに手をかけている自分が居た。


弱々しい手付きで、そうっとカーテンをスライドさせると、眼前には見覚えのあるマンションがあった。

あ…私ん家…だ。

私が住んでいる…部屋が…真向かいにある…。

カーテンを開ききると窓越しに私が住んでいるマンションが建っていて私の部屋が見える。


頬を抓った。痛かった。力強く抓った。

何度も…何度も。頬に爪痕が残るくらい強く。

爪に赤い血液が滲む程に何度も…。何度も。


あっ…あぁ……夢じゃあないんだ…。と絶望に似た感覚を覚えた。

現実なのかもしれない…と。



これは、いったい何が起きてるのかが訳が分からなくなった。あたしは私みたいな人間の人生をどう感じていたんだろう…。よくわからない。怠惰だと感じていた人生は、地獄の様な浮き沈みを繰り返す人生にとっては理想の形。つまり、夢のような人生だったのかもしれない…。


そんな思考が頭の中でピンボールの球が跳ね返る様にぶつかり合い、耳の内側でキーンという耳鳴りの様な反響音が繰り返していた。


裸のまま窓際に突っ立っていた私の後ろから男が声をかけた。

「あんだけヤッたのに起きんの早いじゃん」と言って、あたしの心境からすると、殺してやりたい程に場違いな大欠伸をして、気だるそうにベッドから起き上がって、あたしの部屋の冷蔵庫から炭酸水をラッパ飲みした。


見たくもないし、確認するのも嫌悪感と絶望感で一杯だったが、それが当然の様にこの男は全裸だった…。




わたしは現実を受け入れることが出来なくて、

只々ぼうっとその場に立ち尽くしながら、


この部屋が紅蓮の炎に焼き尽くされ深紅に染まる白昼夢を見ていた。














ようやく気づいた…。

わたしはあたしだったんだと…。

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