第13話 ふりかけとスプレー Ⅰ
自分では買いませんが、こんなこともあります。
*****
数年前…
ふと頭に手をやったとき…
「うん…? なんか頭頂部の髪が細い気がする…」
気のせいだと思っていました。
僕は昔からこの心配だけはしなくてすむだろう…とずっと思っていましたから。
夏なんか逆に苦労してました…
床屋さんでは決まってこう言ってました。
「多めにすいてください、暑いんですよね…」
毛髪の量になげいていたのです。
母はいまだに多いですから遺伝だろうとね…
でもちょっと気にしました。
たまに頭髪に手を伸ばすとやはり頭頂部の毛が細くなった“ような” 気がするのです。
「きっと違う、たまたま細く感じるだけだ…」
でも気になります。
そんな数か月が過ぎたころ…
「自撮りしてみよう」と決意しました。
ですがけっこう難しいものです。
「店長…あのさ…」
自撮りだと
“思うような”
写真が撮れませんでした。
「撮って欲しいんだ…この辺…」
「どうしました…」
「たぶんこの辺…」
「なんですか…」
「薄くなった気がする…」
自分で言葉にすると…意外と落ち込むものですね…。
「いいですよ!」
お店のスタッフはほぼ女性ですので僕よりみなさん背が小さいのです。
男性としては僕は小さいほうなのですが。
店長だけが僕を見下ろせます。
反応が怖い…
「“まだ” 大丈夫っすよ…」
店長笑ってます。
“まだ”ってなに…?
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