　桃太郎は日々成長し、その身体は青年のそれになっていた。彼の黒髪は闘志を込めた炎のように輝き、その瞳は真実を見抜く鋭さを持っていた。筋肉は細やかに練られ、体躯は岩のように頑丈であった。

　一日、岩助が老いた手に一枚の地図を持って、桃太郎のもとへやってきた。その地図には遠くの島が描かれ、その島には鬼の顔が描かれていた。

「桃太郎、お前に見せたいものがある。」

「これは何ですか、岩助？」

　桃太郎の眼差しは地図に釘付けになった。その眼には、深淵を覗き込むような真剣さが宿っていた。

「これは、遥か彼方にあると言われる鬼島という場所の地図だ。」

　岩助の声は深く、重々しく響いた。桃太郎は地図を手に取り、その表面を指でなぞった。地図上の鬼の顔は、恐ろしげに見えながらも、奇妙な魅力を持っていた。

「鬼島…私の使命が、そこにあるというのですか？」

　桃太郎の声には、驚きとともに確固たる決意が込められていた。

「そうだ、桃太郎。お前は特別な存在だ。その力を使って、鬼島に住む鬼たちを退治するのが、お前の使命だ。」

　岩助の言葉に、桃太郎の胸は高鳴った。彼は自身の運命を受け入れ、強く頷いた。

「分かりました、岩助。私が行きます、鬼島へ。」

　こうして、桃太郎の運命の旅が始まった。彼は胸に秘めた大いなる使命感とともに、遥か遠くの鬼島へと旅立つのだった。

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