お笑い考察 まとめ

採点!!なんでもランキング!!

お笑いSM論

今回は採点ではなく趣向を変えて、以前松本のランキングで語った『お笑いSM論』をまとめてみたいと思う。


さて、まずはお笑い芸人のSとMとは何ぞや?という根本的な疑問から始めたいと思うが、笑いの役割には知っての通り『ボケ』と『ツッコミ』が存在する。

そのボケ役に向いているのが精神的にM型な人間(本文ではこれを『M型芸人』と呼称する)、ツッコミ役に向いているのが精神的にS型な人間(本文では『S型芸人』)なのだ。


わかりやすい例を挙げると、『ダウンタウン』などはM型芸人の松本とS型芸人の浜田が、奇跡的なレベルで調和している一例と言えるだろう。


では何故、M型芸人はボケ、S型芸人はツッコミに向いているのか。その理由を探ってみよう。


まずボケ役をするには人がまったく考えつかないような、突拍子もない発想を生み出す繊細な思考と感性が必要である。これには

雑であまり周りを気にしないS型芸人よりも、当然繊細で周りを気にするM型芸人の方が向いているということになる。


つまりボケ役に向いているのは、学生時代ひょうきん者とされクラスの中心で笑いを取るようなタイプではなく、むしろ人見知りで、教室の隅でたった数人の玄人を相手に笑いを取っているような、おとなしくあまり前には出ないタイプである。


更にボケはツッコミを受ける(ドツかれる)側の人間のため、M型芸人でなければ違和感が生じてしまうことも理由の一つである。S型芸人は他人をドツくのは三度の飯より大好きだが、自分がドツかれるのは大嫌いなので、無理にボケをやってもツッコミを上手く受け切れないのだ。


ではツッコミ役に求められるのは何か。

それはボケが出した突拍子もない発想を、とにかく強烈に否定しシバき倒す力である。これには相手を思いやってつい手加減をしてしまうM型芸人よりも、当然相手を叩きのめすことに快感を覚えるS型芸人の方が向いているということになる。


つまりツッコミ役に向いているのは、学生時代自らの発想で人を笑わせるようなタイプではなく、笑いになるギリギリのラインまで誰かを追い込んで笑いを取るようなタイプだと言える(勿論追い込まれる側の人間がイジメと受け取っているような場合は論外。ツッコミ役にはそのギリギリの線を見極めるセンスが必要であり、それができない者に他者をイジる資格はない)。


M型芸人がボケに向いている理由、S型芸人がツッコミに向いている理由は大体こんなところだが、この両者が組むコンビの形が何故理想的なのか、実はそこにはお笑いを超越した、この世界の深遠なる理由があるのである。


お笑いに限らず実はこの世の全てのものは、凸(デコ、出るもの)と凹(ボコ、出ないもの)の関係性で成り立っている。


もっとも身近なところで言えば男女の形がわかりやすいかもしれない。


男の凸を受け入れる女の凹があり、初めて新しい命が誕生する。


これは冗談でもふざけているのでもなく、この世の事象を語る上で厳然たる事実である。


まだ例を挙げてみよう。


例えば雄しべと雌しべ。種子を作るために雄しべ(凸)の花粉を雌しべ(凹)で受け止めて受粉する。


例えば呼吸。植物が出す(凸)酸素を吸う(凹)ことによって我々は生かされている。


例えば電話。掛ける側(凸)の電話を受ける側(凹)が受けて初めて通話できる。


このように、この世の全ての事象は、出るもの(凸)と出ないもの(凹)の関係性によって成り立っているのだ。


つまり、この世の全ての物事を形成する上で、もっとも安定した形こそがこの凸と凹がはまった形であって、お笑いの関係性で言うとS型芸人(凸)とM型芸人(凹)のコンビは、もっとも理想的で安定した形であると言うことができるのである。


これはお笑いのコンビだけに限らない、この世の絶対不変の真理である。


そう考えていけば、思えばこのブログも筆者(凸)と読者の皆様(凹)の関係性によって成り立っている。


筆者が記事を更新しなければ成り立たないし、更新しても皆様が目を通して下さらなければ、このブログは成立しない。


思わぬ結論に至ってしまったが、一人でも目を通して下さる読者の方(凹)がいる限り、筆者は(凸)であり続けたいと思う。

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