第104話「賢明な判断」
擁護しようかと思ったけど……冷静に考えたら、あいつらかなりうざかった。
村上はいいやつだけど、あとの二人は別にって感じだな。
どうせ隠しとおせない(特にクー)ので正直に伝える。
「ふーん」
「なるほど」
「そうでしたか」
クー、ジャターユ、エリの反応だ。
どれもこわい。
まあ被害を受けるのは俺じゃないんだけどさ。
「村上はいい奴なんだよ」
念のため言っておく。
「村上。覚えた」
とクーが言う。
うん、これで村上は大丈夫だね。
あいつに何かあったらさすがに目覚めが悪い。
「具体的な相談はあとでしましょうか?」
エリが言うと、クーとジャターユがうなずく。
「目に物を見せてやろう」
「しかりしかり」
クーが意気込み、ジャターユが同調する。
「殺さないでくれよ?」
一応釘をさしておく。
じゃないとクラス内の空気が最悪になりかねない。
甲斐谷さんとか烏山さんとか楠田さんとかに迷惑になってしまうかも。
あの三人にはお世話になってるからなあ。
「ふむ? まあ、やりようはいくらでもある」
とクーが言う。
不穏な気配があるけど、気づかないふりをしておこう。
「やまとの頼みじゃ仕方ありませんね」
エリはすこし残念そうだったが、承知してくれた。
「しかし二人か。我の分は残るのか?」
ジャターユが疑問を持つ。
クーとエリに取られる前提の発言だな。
「殺してはいけないなら、むしろお前の出番だろう」
とクーが指摘する。
「責め苦を与えるならあなたのほうが得意では?」
エリも言った。
「……そういうことにしておこう」
ジャターユは懐疑的なままだったが、二人に反論しなかった。
賢明な判断だと思う。
「とりあえずお腹がすいたよ」
話を変えるため、俺は自分の腹をさすった。
「料理ならちゃんと用意してある」
クーはすかさず答える。
「ありがとう。さすがクー」
俺はここぞとばかりに褒めた。
「ふふふ。もっと感謝してくれていいよ」
クーはうれしそうに笑う。
「いつも感謝しているよ」
いい機会なのでしっかり伝える。
「ふふふ」
クーはみるみるうちに上機嫌になっていく。
「むー……」
エリが口をとがらせる。
ちょっぴり不満なオーラを出していた。
クーばかり褒めたからすねちゃったか。
ジャターユが心なしかエリから距離をとった。
「もちろんエリにも感謝しているよ。いつもありがとう」
と声をかける。
「どういたしまして」
エリはにこっと笑う。
機嫌がよくなったようで何よりだ。
「女たらし……ジゴロ……」
ジャターユが小声で何か言ったが聞き取れなかった。
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