第3話『選択 ~最初の仲間!?~』
勇者カイ、ことオレは酒場にやってきた。
ここで冒険の仲間を紹介してくれるのだが、この町を訪れる冒険者は少ない。この町で冒険者になろうという者も少ない。
『勇者が旅に出た』という噂でも広まっていれば、わずかでも集まってくれている可能性がある……かもしれない。淡い期待だ。
「勇者の仲間になりたいっていう申請、来てるわよ」
酒場の女マスター、ジャスミンが言った。
「ええと、二人ね。二人とも魔法使いみたい」
役割が被るからひとりでいいかな……仲間にするのは。
ひとりでも来てくれればとラッキーだと思っていたからなぁ。
できれば回復薬……もとい回復役である僧侶だったら言うことはなかったのだが、贅沢は言っていられない。
「今、宿屋にいるみたいだから呼んできてもらうわ。少し、待っていてね」
そして10分後くらい。その二人は現れた。
「おお、あなたが勇者様! お会いできて光栄ですじゃ! ワシの名前はローガンですじゃ。ぜひとも、ワシの力をお役立てくだされ!」
老練の魔法使い。と思いきや、レベル5。
なんでも数年前、『ワシは冒険者になる! そして勇者様の仲間になって魔王を倒すのじゃ』と言って故郷を飛び出したという、ただのおじいちゃんだ。それでもレベル3のオレより強い。
炎系の魔法に資質があるようだ。何故かそんなことがわかった。
「あ、あ、あのぅ……そ、その……ごにょごにょ」
長い、ぼさぼさの髪を垂らした長身で猫背の女性が、ものすごく小さな声で早口で喋っている。
魔法使い……というか魔女っぽい黒いローブも、なんだか埃っぽいしほつれているし、こんなことを言うのもアレなのだけれど、ちょっとくさい。
かろうじて聞こえたのは、シエラ、という名前だけだった。
氷系の魔法に資質があるようだ。レベルは、3。
なんだか究極の選択を迫られているような気分だ。
おじいちゃん。年齢が年齢だけに、成長度はあんまり期待できないし体力もなさそうだ。しかし、実はものすごい魔法の才能を秘めている……っていうことはないだろうか。大魔法使いだった時の記憶を失っていて、徐々に取り戻していくみたいな展開が……期待……できるかなぁ。なんかよくわからないけれど、内に強い何かを感じるんだよなぁ。
で、こっちの女性。年齢はわからないけれど、たぶん若い。今後の成長は期待できるかもしれない。髪の隙間から覗く目がぎょろっとしていてちょっと怖い。髪を切ったらものすごく可愛いとかいう展開が……。うーん。この女性からは強い何かを感じない。でも、成長次第では色々な魔法やスキルを発現させてくれる可能性も……。
さて。
どうしたものかなぁ。
うーん。
【【投票システム発動】】
勇者カイの行動の選択に介入することができます。
『応援コメント』を通じて『投票』することができます。
選択肢は
1.ローガン
2.シエラ
3.誰も選択しない
番号か名前を記載してください。
多数決で決定されますが、同数の場合は勇者カイの意思が尊重されます。
ちなみに
勇者カイはシエラ。カイの中の人はローガンを選択しようとしています。
※投票期日
5/21 12:00まで(終了しました)
期日内に投票がない場合は、勇者カイまたは中の人の意思が反映されます。
※試験的なものなので仕様が変更、または廃止される可能性があります。
名前 :カイ
職業 :ゆうしゃ
種族 :人間
レベル:3
所持金:250G
装備 :ショートソード
:皮の服
スキル:なし
道具 :薬草
次のレベルまでの
経験値:3,720ポイント
※各種数字に変動があまりなかったために、今回は経験値加算なしで処理しています。
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