犬の骨 16
S県山間のある村には、昔からシシと呼ばれる動物のようなものが現れる。
大きさは大型犬や猪くらいで、形も猪か牛かに似ているが、頭も尻尾もない胴体だけのような姿で、どちらが頭かわからない。足や歩き方は馬や鹿に似ていて蹄があるらしい。
決まって夜に、街灯の下等明るい場所に現れる。
近寄ると逃げるので、その黒いシルエットしか目撃されていない。
終戦直後くらいから現れはじめ、最初は猪かと思い村で駆除しようとしたものの近寄る事すらできず、とくに畑を荒らす等の被害は無い為、放っておく事になった。
平成のはじめ頃、村と付近の道路が整備され、付近を通過する車が裏道的に村を通り過ぎるようになると事情を知らない村外の人が目撃し、猪と思って通報する事が一時的に増えた。
今はもう通報する者は少ないが、シシ自体は依然として村では年に数回ほど目撃されている。
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