犬の骨 7

子供の頃、

「空と水には目がある」

という友人がいた。

彼が言うには空には常に大きな目があり、こちらを見ている。

水は、学校のプールくらいの大きさになると目ができてこちらを見ているという。川や海のような流れのある場所には目がないらしい。

また、目に見つめられ過ぎると「攫われる」とも言った。


大人になり、会社の屋上で同僚と煙草を吸っていた時、突然上空から視線を感じた。

「空に見られている気がする」

と思った時に、ふと友人の言っていた事を思い出し、少し気味が悪くなった。

まだ煙草を吸い終わっていない同僚を置いて早めに席に戻った。

その時から、同僚は行方不明のままだ。

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