辞めるきっかけ・2

「じゃあ、いらねえよ!!」

ヘビースモーカーは怒鳴り一人で勝手にブチギレた。

その前に僕は残高不足のことを少し言っただけなのにこれだ。


その後僕はどれを返品するかと聞くと

「どれでもいい!!」という困った返事が返ってきた。

ここまで自分勝手で怒りをぶつけて来る客は初めてだ。


それにこの曖昧な言い方、この二人組以外に後ろに

客を3、4人待たせている状態で店内は混雑している状態だった。

その後はもうあまり覚えてないがヘビースモーカーの一人で逆ギレし続け


煽り文句かのように「なんか言ってみろよ!?」とか言って気がする。

それにまんまと乗せられてしまった僕はやってはいけない言い返しを

恐怖に怯えながら何回か何かをいったのをぼんやり覚えてる。


連れの方はキレるヘビースモーカーに何も言わない。

普通なら止めに入るはずなのにただ傍観者のように見てるだけだった。

あまりにもおかしすぎる、そして上がそれに止めに入ったのは

ヘビースモーカーがキレてから10分以上後の事で

その時には僕は心がボロボロで泣きじゃくっていた。


僕はそのままチーフとバックヤードの食堂へ避難した。

あまりにも精神的に不安定だったので僕は父に咄嗟に電話して

助けを乞うてしまった。ここからに逃げたい。

ただそれだけで頭がいっぱいだった。


話は逸れるが実はこの悪質クレーマー二人。

以前話したスマホの件でキレたパートの身内である。

入った時からよくパートのおばちゃん達に聞かされており

「無職で生活保護一家」「向かいのパチンコの帰りに店に来る。」

「精神疾患でいつも店の人間になりふり構わず怒鳴り散らす構ってちゃん

で悲劇のヒロインぶる」で有名な客だった。


僕の件の前に以前、この二人の兄にあたる人物が問題を起こしていた。

確かクリスマスケーキを自転車に乗りながら転けた際に崩れたから

新しいのに変えろという自分勝手な言いがかりをしてきた。

その人自体、普段はかなり温厚で面白い人で僕自身接客してる時は

全然気にならなかったがパートのおばちゃんたちからは


「あいつには関わらないほうがいい」

「精神安定剤と酒をチャンポンしてる(飲んでいる)」

とかなりの危険人物だと聞かされていたがケーキの件でその印象は

様変わりした。


男性のサービスカウンターで言いがかりは軽く10分以上続いていた。

店長が見兼ねて身内のパートに何とかするように言い

電話で帰るように家族に電話した後

火に油を注ぐような展開になってしまった。

身内パートときた身内が説得させようとするうちに同じく逆ギレしたのだ。


その身内が僕に逆ギレしたヘビースモーカーだった。

全くもって収集のつかない状況、カオスそのものだ。

考えると、なぜ店長はこんな指示を出したのか今でも謎だ。

その後、店員である身内に手を挙げそうになり


後日、警察が店内でクレーマーに注意喚起をし

身内パートは謹慎なのか分からないが数週間ほど出勤して来なかった。

この時点で彼らを出禁にしていれば良かったのに

そうはならなかった。


話は戻る。

ヘビースモーカーへの対応はしばらく店内で店長が対応していた。

食堂で情緒不安定で泣きじゃくる僕をチーフが宥めている時に

内線が入りまさかの事態が起こった。ヘビースモーカーが

店長と一緒にバックヤードに入り込んできたのだ。


同じタイミングで父も来た。

ヘビースモーカーが入ってきた理由は

店長が僕がうつ病患者である事を説明の際に話したことだ。

僕はこの瞬間、この店長にはプライバシーを守るという考えがないと思った。


そのままヘビースモーカーは自分も精神疾患の人間だ。

妹なんかリスカしているだ、ああだこうだと一族の悲劇のヒロイン

劇場を一人で始めたのだ。僕とチーフ、父と店長は

ただただそれを聞く、正直馬鹿馬鹿しかった。

僕には単なる鬱憤ばらしにか聞こえなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る