4ST　Ｓランク

いや、これもうプロやろ度　９４　Ｓランク

【解説】

このゲーム実況者編は、本来は前回の『shu3』で終わりにするつもりだったのだが、今回また有象無象のクズ共の中から、ゲーム実況者でとてつもなく凄すぎるオッサンを発見してしまい、どうしてもＳランクを付けざるを得ない状況に追い込まれてしまったため、今回こうして嫌々ながら再び筆を執ることにした。

本来は終わりにするつもりだったゲーム実況者編を、書きたい、いや、書かなくてはならないと思わせるほど、筆者に衝撃を与えたゲーム実況者、それが今回ご紹介する『4ST』（ヨンスタ）という意味不明の名前のオッサンである。

前回の『shu3』しかり、何で紹介するゲーム実況者が尽く数字と横文字ばっかりやねんと自分でも思うのだが、これはもうたまたま偶然そうなってしまったということで、名前の由来に関しては本人達に聞いてくれと言うしかない（まあ、聞いたところでスルーされるだろうが）。

名前が被ろうが何だろうが、ストファイのリュウの『俺より強い奴に会いに行く』ではないが、筆者は俺より凄い奴に会いに行きたいし、大半がどうしようもないゴミの山という中でキラリと光る凄い奴を見つけたら、紹介せずにはいられないタチなのである。

さて、この4STというオッサン、何がヤバいのかというと、まず編集、演出、構成、ナレーション、およそ動画を構成する全ての要素のクオリティーが著しくヤバい。素人によるものではない。

初め観た時、筆者はCSか何かの放送をそのままユーチューブに持ってきているのかな？と思ったほどである。

また、ヨンスタという名前からも、きっと何かの動画制作スタジオ、プロの動画制作集団が作成して、ユーチューブに動画をアップしているのだろうね～、そだね～と、アホはアホなりに考えたのである。

ところが、蓋を開けてみると個人制作、しかもたった一人で動画を制作していると知り、筆者は腰を抜かした。顎を外し、羽目を外し、入れ歯も外れたため歯医者に行った。そこでついでに虫歯を治して貰い、後には『センス〇』だけが残った。ちょっぴり嬉しかった。（？？？）

いや、まあ嘘なのだが、それほど素人の個人制作とは到底信じられないクオリティーであり、筆者は思わずこいつ何者……！？いや、何人やねん！？と思ってしまったのだ。（まあ日本人なのだが）

動画のクオリティーに関しては実際に観て驚いて貰うしかないとして、筆者はこの4STのライブアーカイブをところどころ飛ばしながら適当に流し見したのだが（わざわざ告白する必要はない）、動画から受ける印象通り、知的で物腰が柔らかく、非常に優秀な仕事の出来る男、違いの分かる男、ネスカフェゴールドブレンドという感じだった。（？）

人間、その性格や人間性、頭の良し悪しというものは、全体の雰囲気や喋り方に現れるもので、やはり優秀な動画を作るのは優秀な人物、そしてネスカフェゴールドブレンドなのだなぁと、良く知りもしないのに人として好感を持ってしまった。

筆者は面白さのためには己の身体を張る人間が好きだが、こうした頭が良くそれでいて驕らず物腰が柔らかい人間、そしてネスカフェゴールドブレンドも好きなのである。（？？）

また、非常に知的で上品な語り口なのに、動画内でエロに異常な執着を見せるところは4STの笑えるポイントだと言えるだろう。（まあここは4STが完全に意識的にネタでやっているところなのだが）

基本的にどの動画もクオリティーが高いが、筆者のオススメ（というかまだほとんどこれしか観ていないが）は、『復活の呪文が書かれているとんでもないスーパーマリオの攻略本を手に入れたのでそれでドラクエやってみたら…』『マリオもびっくり！任天堂最強法務部を歯ぎしりさせた男と会社とゲームとツール』『スクエニを激怒させ任天堂にケンカを売った史上最低のファミコン攻略本』の三つ。

特に、『復活の呪文が書かれているとんでもないスーパーマリオの攻略本を手に入れたのでそれでドラクエやってみたら…』（長い）の冒頭のあまりに斬新すぎる展開には、笑いに厳しい筆者にしては珍しく腹を抱えて笑わせて貰った。

これがユーチューブのオススメに出てきた時、タイトルを見て『へんっ、どうせ子供が書いたパスワードでドラクエを遊ぶだけのくだらない動画だろ。へそで茶が沸くゼ！！』と思ってしまっていたアホの予測を、完全に良い意味で裏切る斬新な展開。

『この手があったか！！』としか言えないストーリー展開は、ゲーム好きであれば必ず楽しめると言っても過言ではない。

というか、これが筆者と4STとの初めての出会いだったので、今ではこの動画の再生ボタンを押した自分の判断は極めて正しかったと思っている。

『マリオもびっくり！任天堂最強法務部を歯ぎしりさせた男と会社とゲームとツール』（長い）も基本的には面白く不満はないのだが、唯一中盤のゲーム紹介に若干の中だるみ感があったのが非常に勿体なかった点だろう。（気にならない人は気にならないレベルではあるが）

恐らく、4STとしては動画の中盤でクソゲー……ゲフンゲフン、色んな名作をオマージュした、一風変わったこんな迷作……あわわ、『ファミコンで遊ぶやつ』を作った会社なんだよと紹介することによって、視聴者に『ハッカーインターなんたら』の社風をより強く印象付ける狙いがあったものと思われるが、そこに長く時間を割くぐらいであれば、任天堂との法廷闘争やファミコン以外に遺したソフト、会社の成り立ちからゲーム事業撤退までの経緯について、観ていてもっともっと深く掘り下げてほしかったと思ってしまった。

『スクエニを激怒させ任天堂にケンカを売った史上最低のファミコン攻略本』（長いタイトルがお好き？）に関しては、過不足なく非常に高いレベルで良くまとまっており、始めから終わりまで飽きることなく楽しく観ることが出来た。

話は少し変わるものの、筆者の書いているここアルファポリスのように、個人で『文章』を発信したり、ユーチューブのように個人で『映像』を発信したり、かつては雑誌やラジオ、テレビぐらいしかなかった（それ故に発表の場が少なかった）『表現』というものが、現代になりネット社会が発展することで身近になってきて、徐々に『一般人』と『プロ』との境界線が曖昧になってきている。

では、その『一般人』と『プロ』とを分ける違いは何なのかというと、一言で言えば『意識』なのだが、これはまた別に機会があればそこで解説することにしたい。

筆者が長々と何を言いたいのかというと、これからの時代は『一般人』や『プロ』など見せ掛けの肩書きは関係なく、『真の実力』を持った者だけが生き残る『表現の戦国時代』が訪れるということ。

加藤純……あわわ、黎明期から実況しているというだけで、大した力量も神プレイも企画の面白さもやり込み度合いもないにも関わらず、運だけでアホにバズってしまったような先発ゲーム実況者の類（言いすぎ）が、4STのような後発の非常に高クオリティーの実況者に駆逐されていく日は、もうそこまで来ているのかもしれない。

点数についてだが、動画自体のクオリティーはテレビと見紛うレベルで非常に高い、というかクオリティーだけでＳランクを与えていいクラスに達しており、個人制作としては驚異的な力量で天元突破しているものの、前回のshu3と比較すると唯一『やり込み』という点に於いて劣ると思われるため、点を一点のみ低く付けさせて頂いた。

最後に、動画を観て思わず筆者が放ってしまった、この4STを一言で表す名言を残しておきたいと思う。

「いや、これもうテレビやんwww」