グルームの過去編~異常なくらいの恋愛をするようになるまで~第3話

 僕は、ブライドのいるところに向かった。

 ブライド・・・。

 ブライド・・・。

 僕は、心の中でそう呟いた。


 今更かもしれないけど、今の僕にはふさわしくないかもしれないけど、両思いなら、告白しないと後で後悔するような気がした。


「ブライド・・・」


 僕は両親とではなく、ブライドと一緒に暮らしたい。


 扉を開けた瞬間、目を疑う光景があった。


 ブライドが血だらけで倒れていた。


「ブライド!」


 僕は、すぐに駆け付けた。


「ブライド!


ブライド!」


 どうしよう・・・!?

 どうしよう・・・!?


「グルーム君・・・」


「ブライド!


誰にやられたんだ?


今すぐ、復讐するから・・・」


「いいのよ」


「ブライド?」


「あたしは、これで終わりだから」


「やだ!


まだ、なんとかなる!


救急車も呼ぶから!


僕、いい子でいるから!


ブライドが本気で好きだから!


好きだから、死なないで?」


「ありがとう。


あたしの出会いをやり直したいかしら?


こんな形で終わるのは、どうしてもいや?」


「いやだ。


いやに決まっている。


だけど、こんな結果を変えられるのか?」


「変えられるわ。


グルーム君が、そのことを信じていればね。


何だって、できるのよ」


 ブライドは、何がしたいのか僕にはわからない。

 わからないけど、


「ありがとう、ブライド」


「平行世界の存在は、信じてる?」


「いきなり、何だよ?」


 だけど、ブライドは僕の質問に答えることはなかった。


「これから、平行世界へ向かえば、あたしに会えるわ。


何度でもね。


だけど、性格とか、状況とかも、違うかもしれない。


それでも、全く違うあたしを好きでいられる?」


 この時の僕は、ブライドに会えるなら、何でもしようと思えた。


「どんなブライドでも、愛してるさ」

 

 あまり、深く考えてなかった。

 平行世界のことも、よくわかってなかった。


 ただ、今の状況を変えることしか、目先のことしか、頭になかった。


「ありがとう。


グルーム君。


愛してる。


大好き。


だから、パラレルループしてきてね。


あたしに会いにきてね。


あたしと、恋人になってね。


あたしのことを、いつまでも好きでいてね。


平行世界のあたしはそうじゃないかもしれないけど、グルーム君が信じてさえいれば、きっとどんな願い事も叶うわ。


好きよ。


好き。


最後まで一緒にいてあげられなくて、ごめんなさい」

 

 こうして、僕は平行世界へ向かった。

 どうやって来たのかはわからないけど、気がつけば、パラレルワールドにいた。


「今日から、転校生を紹介しまーす!


グルーム君です!


皆さん、仲良くしてあげてくださいね」


 僕は、6年生で転校することになっていた。


 待っててね、ブライド。

 今から、会いに行くよ。

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