第3話 恋愛に求めているもの

 私は、朝と夜しか食事をとっていない。

 なぜなら、グルームは、昼間は学校とかに行っているから。

 

 制服とか、着たいな・・・・。

 女子を敵に回すことがあったとしても、やっぱり、学校は楽しかった。

 好きな人を常日頃から追っては、失恋してもまた別の恋を追えばいい。

 そんなふうに、気軽にしか考えてなかった。


 短かった私の髪は、次第に伸びていくようになった。

 髪を切ってもらおうと、グルームにお願いしてみても「髪が長い方が似合う気がするから、腰まで伸ばしとけ」と言われる始末だった。

 どれくらいの時が流れたのかわからないけれど、私の髪は肩まで届きそうなくらい伸びていた。


 私は、白のウェディングドレスを着ているけど、ずっとこの衣装のままでいたいかと言われると、寝る時はさすがに辛い。

 

 だけど、あの母親の元にいる時と比べれば、ここで監禁された方がまだよかった。

 監禁生活、サイコー!

 って、ここは何の自慢にもならないか。


 鎖につながれているために、ベッドの上で過ごすしかないから、昼間はトイレに行きたくてもいけないことが辛い。

 グルームは、親切なのか、そうじゃないのかよくわからない。

 トイレぐらいの配慮ぐらいはしてほしかった。

 あんまりおねだりしてしまうと、グルームからは「駄々っ子」とか言われてしまうけど、どういう意味なんだろう?


 こうして、私は帰りを待つ。

 ただの幼馴染である、グルームがこの部屋にやってくるのを。



 こんなことを思っているうちに、私はいつの間にか寝てしまっていた。

 ここで、夢を見る。


 こわくて、思い出したくもないお父さんとお母さんが離婚をする夢。


「お前とは、もうやってられない」


「それは、こっちもよ」


 お父さんと、お母さんは喧嘩ばかりしていた。

 激しい口論の末に、二人は離れることになり、私の親権で争うことにもなった。


 結果、私の親権はお母さんのところになる。

 これは、小学5年生の頃の出来事だ。


 私はお母さんがいつの間にか嫌いになっていき、気が付けば、心の中でお父さんを求めるようになっていった。

 だけど、同い年の中にお父さんみたいな男の子は、どこにもいなかった。


 お父さんが、どこにいるのかもわからない。

 だって、お母さんは教えてくれないし、私はお母さんには逆らえない。


 私は、お母さんの理想に答えて、ご機嫌取りをしながら、勉強に励む。

 お嬢様学校に行くことになったのも、そのせいだった。


 私は、お母さんが大嫌い。

 大嫌いで、会わなくてもいい方法があるなら、会いたくない。


 そこで、小学6年生の頃に転校生のグルームがやってきた。


 私は、夢から覚めた。

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