第1話 惚れっぽい女は、男とすぐに別れる

 私は、ブライド。

 将来の夢は、運命の人と出会い、白のウェディングドレスを着た結婚式をあげること。

 水色のセミショートにしているのは、普段はショートヘアーと見せかけて、時々、下げのツインテールやポニーテールにしてのギャップ萌えを狙いたいという気持ちから、いつもこの髪型。

 ちなみに、まだ成人はしていないし、結婚もできる年齢でもないけど、早い段階から運命の人を見つけたい夢見る乙女な私。

 

 ただ、私は惚れっぽいけれど、飽きるのも早い。

 私は、もっと理想があるの。


「ごめん、グルーム、君とは結婚できない」

 小学六年生の早い段階から、私は幼馴染のグルームと別れた。


「どうして?」


「飽きたから」


「飽きたって、そんな・・・・」


「飽きたものは、飽きたの。


あーあ、私の読む少女漫画みたく、もっと刺激がある人がほしいなあ」

 

 自己中とか言われるけど、私には刺激がないと、常に飽きてしまう。

 いつからか、私は運命の人ばかりを探してばかりいるようになった。


 グルームは、転校してやってきた時から、一目ぼれしてしまったけれど、付き合ってみると、やっぱり恋はどこかで冷めてしまうの。


「付き合いたいって言うから、付き合ったのに理不尽すぎる・・・・」


「何と言おうと、私は君に熱はないから、これからは友達でいようね」


「友達になんて戻れるか・・・・」


 グルームは、納得のいかないような表情をしていた。

 だけど、そんなことは、私にはどうだっていいの。


 私は、グルームと別れて、私立のお嬢様中学校に入学した。

 ここでも、私は恋愛モードだった。

 付き合っては、別れてを繰り返してばかりいた。


 友達からは「どうして、すぐに男の人を好きになれるの?」とか「付き合っても、別れるよね」とよく言われた。


「そういえば、何でだろう?


私は、男の人に何を求めているんだろう・・・?」


 自分でも、自分がわからない状態だった。


 簡単に婚約とかしてしまうけど、理想通りにいかないと別れる。

 

「こんなの、おかしいって。


絶対、なんかの病気じゃない?」


「病気?」


「そうよ。


そもそも、どうして、好きになるのかよくわからないし、お父さんと同じ相手を求めていない?」


「お父さんはよく、わからないなあ。


私には、そういった存在はすでにいないから」


「いないって?」


「うん。


小学5年生の頃に、姿を消してそれっきりだから」


 私が、男の人をすぐに好きになる理由がわからないまま、時間だけが流れていく。


 そして、私は疎遠になった幼馴染の、グルームに誘拐されて、部屋に閉じ込めれることになった。

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