第6話厭な酔っぱらい

2人はタクシーを捕まえた。

先に彼が乗り込み、その後に若い女の子が乗った。

行き先は、彼の自宅マンション。途中、コンビニでソフトドリンクとストゼロ5本、ツマミ。

タクシー代は3500円だった。支払いはもちろん彼が払った。

マンションに着くと、エントランスでキーを近付けると扉が開いた。

彼は、独り身だが30年ローンでマンションの住民となっている。

彼らが勤める会社は住宅費も出る。それで、彼は3年前にこの会社に転職したのだ。

部屋のカギを開けて、部屋に若い女の子を入れた。女性がこの部屋に、否、彼以外の人間がこの部屋にいるのは初めての事だった。

彼女がストゼロで彼はオレンジジュースで乾杯した。

沈黙の中、二次会が始まった。

暫くすると、

「シャワー、浴びてきていいかなぁ~?汗だくになっちゃったから」

と、彼が言うと、

「どうぞ、わたしは飲んでますんで」

そう言うと、彼は着替えを持ち、シャワーを浴びた。15分程でアガリ、歯磨きをした。口の中が、ゲロ風味で気持ち悪かったのだ。

彼はジャージで再び、彼女の前のソファーに座った。


「わたし、先輩のスーツ姿以外の格好初めて見ました。先輩もそんな格好するんですね。あのぅ、わたしもシャワーいいですか?」

彼は戸惑い、

「い、いいけど、着替えないよ!女の子の服なんか」

「先輩のTシャツで大丈夫です。先輩、体大きいから、わたしには丁度だと思うんで」

「分かった。これでいい?」

彼は引き出しから、Tシャツを取り出し彼女に渡した。

彼女の体を洗うシャワーと水音を聴きながら、緊張していた。

「神様、これは神様の失投じゃないの?あんな、かわいい女の子がシャワーを浴びてる。僕は持てない歴43年。逃しませんよ!神様。スタンドまで飛ばしますよ!」

すると、下半身が熱くなった。

「あっ!」

彼は既に勃起していた。

バレない様に股に下半身を挟んだ。直ぐに、女の子はかえってきた。

「やっぱし、先輩のTシャツで大丈夫でした」

「だ、大丈夫かなぁ」

彼女は太ももがちょうど隠れるくらいの丈の姿をしていた。

「先輩、変な事したら殴りますからね?」

「ば、バカヤロー。僕は女は間に合っているんだ」

「えっ、彼女さんいらっしゃったのですか?」

「右手が恋人だよ!」

「……変態!」

「な、何だと?これが、普通のオッサンの性事情なのさ」

彼女はストゼロをグビグビ飲んでいた。

そこで、重大な事に気付いた。

「き、君!まさか、うちに泊まる気なの?」

「……はい。優しくしてね」

彼は鼻から熱い物を流した。

「先輩、鼻血、鼻血」

「いっけね」

彼はティッシュペーパーを取りに立った。

「先輩、何で勃起してるの?」

「……しまった!い、いや、これが僕の普通サイズなのさ」

「先輩、会社のイメージとギャップが有りすぎ~。先輩は変態だったんですね?」

「黙れ!この酔っぱらい女!」

「先輩のそう言う所、好きですよ」

彼は鼻血をボタボタ流していた。夜はまだまだ続く。

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