第26話 勉強会

 中学受験を控えているという事で仕事をセーブして貰っている。今日は久しぶりの休日だ。

 「燈由ひより、今日は一緒に勉強出来るって本気まじ?」

 光の問い掛けにコクリと頷く。

 「中学受験が始まるから仕事をセーブしてんのよ。」

 今年はコンサートはしないが、国際ピアノコンクールに出場しなくてはならないので、スケジュールを調整してくれる容子まさこさんには感謝している。

 「じゃあ、私は勉強会に参加したいなー」

 はいはい!と光が元気に手を上げる。

 一緒に勉強する事が習慣になって、光の成績は上がったもんね。

 「私も参加したいです。」

 「私も!今回は女子だけって事にしない?」

 口々に参加を表明する女の子達に私は苦笑を漏らす。

 「えぇえ!!俺達も参加したいんだけど!!」

 「そーだ!そーだ!」

 男子からはブーイングが出るが、光が

 「女子会に男は立ち入り禁止だよ!」

キッパリと男子禁制を掲げた。

 女子会かぁ――…前世はこんなに人に囲まれた事のない陰キャだったからスキルに社交があって良かった。空気を凍り付かせたくない物ね。

 「今回は女子会も兼ねた勉強会だからごめんね。」

 私は男子達に謝り誰の家で女子会勉強会をするのか相談するのであった。

 家を提供してくれる子が多くて最終的にはクジ引きで決める事になる。

 「やった!燈由ひよりちゃんを家に呼べる!!」

 以前より明るくなったみことちゃんが嬉しそうな表情かおをしていた。

 「苦手な教科を持って来てね。」

 私の言葉に女の子達が頷く。

 私の勉強はイリスが見てくれてるが、彼女達の勉強は私が見ている。問題集はイリスに頼っているけどね!

 「あの燈由ひよりちゃん……パパやママが燈由ひよりちゃんのファンなの。もし迷惑だったら言ってね?」

 こうやって気を使ってくれる所はみことちゃんらしいな。

 ファンサービスは大事な事だと容子まさこさんに言い聞かせられてるからサインくらいは大丈夫なのだ。

 チャリティーオークションでよくサイン入りの本とか出品してるからね。売上の半分は私が選んだ団体に寄付される。

 ネットも普及して来ているし、最近ではTwi〇terのサービスが開始されている。

 事務所から公式アカウントを渡されたので私も活用しているのだ。

 今日は女子の勉強会をするよ、と呟けばイイネが沢山付いた。

 後で皆の勉強風景の写真を投稿しても良いか聞かなくちゃね。私や他の子の宣伝にもなってるみたいだし、最近始めたYourTubeユアチューブの動画配信の導火線にしてるのだ。

 YourTubeユアチューブには中学受験編の勉強動画を上げてる。動画のリンクには私が作成したHPのURLを貼り付けている。

 今、私が運営してるHPは言語翻訳、ニュース、勉強、料理、原稿・スピーチのサイトの数々だ。

 運営はイリスが作ったAIソフトが運営を行っていて小遣い稼ぎをしている。

 「帰ったらみことちゃんに集合ね。」

 担任が来たので各々の席に戻っていくのだった。




 

 私はノートパソコンを持ってみことちゃんにやって来た。

 「「「燈由ひよりちゃん、いらっしゃい!!」」」

 みことちゃんとみことちゃんパパとママが私を迎え出てくれた。

 「お邪魔しますって私が最初だったりする?」

 大体は私が最後の方が多くなるんだけど珍しい事があるものだ。

 「うん(皆に頼んで少し遅く来てくれるようにお願いしたんだけどね。)」

 「そっか、みことちゃんパパさん、ママさん、初めまして秋月あきつき燈由ひよりです。みことちゃんと仲良くさせて貰ってます。これお土産です。」

 持っていたパーティ用のお菓子を渡した。

 「まあまあ、手土産なんて!!ありがとうね、燈由ひよりちゃん♡」

 嬉しそうな表情かおをするみことちゃんママに促されみことちゃんの部屋に通して貰った。

 「わ、みことちゃんの部屋って可愛いねぇ。」

 THE・女の子って部屋に私より女子力高いなぁ…と思うのだった。

 「そんな事ないよ。嫌いじゃないけど、ママの趣味なんだよねぇ。高校生になったら燈由ひよりちゃんみたいなクラシック系の部屋にするんだ!」

 隣の芝は青いって言う事なんだろうか?

 ま、私も親から自立したら部屋を模様替えしようと思ってるしね。今の部屋も好きだけど、欧米風にしたいと思ってるんだ。

 トントンとノックの音が聞こえ、みことちゃんが入室の許可を出すとパパさんとママさんが入って来た。

 ママさんはジュースとお茶、パパさんは私のCDと色紙にマジックを持って立っている。

 「燈由ひよりちゃん、嫌じゃなかったらパパとママにサインしてあげてくれないかな?」

 コソっとお願いしてくるみことちゃんにパチンとウインクで了承を示し

 「サインで良いですか?」

CD達を受け取りレアな方のサインを描き上げる。

 私のサインは2種類あってサイン会やオークションで出す一般サインと大切な人や限定品に描くサインがあるのだ。

 「わっ!特別サインだ!!」

 「あら!本当だわ。ありがとう、燈由ひよりちゃん♡ずっと大切にするわね。」

 宝物を持つように胸に仕舞う二人を見て胸がホコホコした。

 そんなこんなで時間を過ごしていると、他の友達もやって来て勉強会が始まった。

 勉強会では各々が苦手としている分野を得意とする子が教え合っている。

 私?私は皆のレベルに合わせてテストを作成する係かな。たまに教える側に回る事が多いけど、自分の勉強を進めつつ調整を取るのが私の役目である。

 女子会になった事で気になる男子の話や、人気モデルや俳優の話をして盛り上がっていた。

 精神年齢おばちゃんな私は同年代は恋愛対象外なので聞き役に徹していたが

 「燈由ひよりちゃんは誰が好み?」

と聞かれたので40代のイケオジ俳優の名前を出していた。

 「付き合うなら年上で包容力のある男性ひとが良いなぁ。」

 と理想だけは語っておく。

 互いの理想の男性像を言い合って女子会兼勉強会は楽しく過ぎて行くのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る