第23話 収録
今日はマリウス氏が手掛けている歌手のメアリー・スーの音源収録に来ている。アメリカで収録すれば良いのに…と思ってるけど、マリウス氏がどうしても日本で収録したいと言い出して
『初めまして、メアリー・スーです。』
不機嫌です、というオーラを出して挨拶するのは歌手のメアリー・スーだ。
人の貴重な時間を使っている自覚は無いのだろうか?
『こらメアリー!ちゃんと挨拶しなさい!!』
二十歳過ぎの女を叱るマリウス氏の叱責も
『時間も押してますし、早速収録しましょう。』
私の提案に
『そうだね。』
マリウス氏も頷き収録が始まった。
一通り彼女の歌を聞いたがコレじゃない感が半端ない。
第一印象最悪だったお陰で、
歌はまぁ上手だと思う。でも感情が乗ってないんだよねぇ。歌詞の意味を理解してないのだろうか?
チラっとマリウス氏を見れば苦い
「ねぇ
歌のイメージに合わないと言う
『ミス,ヒヨリ…』
しょぼくれた犬のような
『解釈違いですねぇ。』
爆死しても責任持たないと暗に言えば真っ青な
『そ、その、メアリーにアドバイスをしてくれないか?』
私の提供した曲は歌い手によって売れ行きが変わると言っても過言ではない。
『彼女、私のアドバイス聞く気が無いでしょう?私の事を舐めてるし、楽曲提供取り止めしても良いんですけどねぇ。』
誠意を持って仕事をしない相手を尊重する義理はない。
ただ歌声だけは天使なんだよなぁ…歌声だけは!
『…ゔぅ゙……そこは私がキツク言い聞かせるから!!』
『……分かりました。時間を取るので、メアリーさんの説得をお願いします。私の指導はキツイですよ?指導について来れないと判断したらアメリカで収録して下さいね。』
太い釘を打っておくのは忘れない。
『分かった。』
言質を取ったので嫁イビリも真っ青な指導をしてやろう。
私の名前はメアリー・スー、アメリカを代表する歌手よ。
天使の歌声を持つ私のパトロンであるマリウスに渡された新曲を聞いた時は売れる!と思ったわ。
でもマリウスは私に駄目出しをするのよ!何で駄目出しするのか聞けば、マリウスは曲の解釈違いをしているって言うんだもの!!
作詞なんてただの文字の羅列じゃない!それをこの私メアリー・スーが歌ってあげているのに文句を言うなんて!!
しかもこの曲を作詞・作曲したのが東国のサルよ!!?信じらんないわ!!マリウスの曲だと思ったから一生懸命頑張って試行錯誤して練習したのに!!
私 悪くないわ!!悪いのは日本の猿よ!!と主張したらマリウスが、スポンサーを辞めるって言いだしたの。
私より
小国で有名だったとしてもアメリカで通用すると思ってるのかしら?
不満気な私にマリウスは彼女は来年にはカンピージョス国際ピアノコンクールに出場が決まっていると言うの。
それがどうしたの?って気持ちが一杯だったけど、マリウスにスポンサーを降りられたら困るのは私。
マリウスが出した条件を私は飲んで日本にやって来たんだけど何なのよ!
しかも私に曲の指導?冗談じゃないわ!!
『ミス,メアリー、この曲は鎮魂歌なの。故人を偲ぶ曲を明るく歌ってどうするの?葬送の曲なのだから淑やかな曲調で――…』
グチグチと
『やる気あるのか、メアリー?』
『分かってるわよ、マリウス。私だって良い曲に仕上げたいと思ってるの。』
しおらしい態度を取れば丸め込める事が出来るから男って馬鹿よね。
『この曲は革新的な曲なんだ。彼女が紡ぎ出す曲は巨万の富を
そんなに大絶賛する程の曲かしら?珍しいメロディーだとは思うけど。
それから私は日本の子ザルに散々指摘され不愉快な想いをしながら収録を終えたのだった。
彼女が世界で注目されている人物という事を知らされていたのに軽んじて日本を、彼女を馬鹿にした態度を崩さなかった事でマリウスからスポンサーを降りられ、この曲を私のライバルの手に渡る事を知ったのはアメリカに帰国して1週間が過ぎた頃だった。
日本から帰国して2週間後に【
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