ナナちゃんとクイズ

「ねえ、そこのお兄さん、読者には見えてない事になってるお兄さぁん!」


ナナちゃん、このくだりは前にもあったと思うよ、ワンパターンは嫌われるよ。


「お兄さん細かい事言ってるとハゲるよ。

そんな事より、ナナは退屈なんだよぉー!

台風が来てて、風がスゴイからさぁ、丘の風車に向かって突撃する〈ドン・キホーテごっこ〉やりに行くってママに言ったら、部屋で大人しくしていなさいって、ドアに鍵かけられちゃったあ。

こうゆうの監禁とか虐待って言わない?」


いやいや100パーセントママの判断が正しいと思うよナナちゃん。

何がしたいのかも、もう何が何だか分からないよ。


「それでね、ママが台風が通り過ぎるまでは、ドン・キホーテもヴィレッジ・ヴァンガードも行っちゃいけませんだって。

意味不明だよね」


確かにママも少し混乱してるのかもね。

まあ、でもおおむね正しいと思うよ。


「大人はすぐそうやって庇い合うよね。

ねえねえ、それよりナナは退屈なんだってばあ。

ええと、じゃあ今日はナナがクイズ出すから、お兄さん答えてくれる。

正解だったら、もう、ウジ虫って呼ばない様にするよ」


えーっ!

まだ、回文の時の事引きずってるの?

わ、分かったよ、じゃあ問題出して下さい。


「では、問題です!

一人の男性がある日、マロニエの木の下で、とある女性にプロポーズしました。

しかし彼女の返事はNOでした。

諦め切れない男性は、翌日、同じマロニエの木の下にいた彼女に再び求婚しました。

しかし残念ながら彼女の返答はまたもNOでした。

どうしても諦め切れない男は、また次の日、薔薇園にいる彼女を見つけると、想いの丈を告げました。

すると彼女は、にっこり微笑むと男の告白を受け入れました。

さて、何故でしょうか?」


えーっ!

何、そのクイズ?

少女の出す問題じゃないよねぇ。

ちょっ、ちょっとお兄さん、な、何だか照れちゃうって言うか、甘酸っぱいってゆうかぁ、、、。


「お兄さん、なに赤くなってるのよぉっ!

馬鹿なの?

こ・れ・は、ク・イ・ズ、だよおーっ!」


いやあ、だってそのお、それはそうなんだろうけどぉー。

、、、。

やっぱり、〈愛の力〉かなあ。


「、、、。」


なに、何だよ、ナナちゃん!

眼が三白眼になってるよ、怖いよぉ。


「ウジ虫、以下ねっ!

全然ダメッ!

仕方ないわ、もう一回だけチャンスをあげる」


ウ、ウジ虫以下って何だよおー!

お兄さんは、純情なんだよぉ。

えーっと、じゃあ〈情熱にほだされた〉のかなあ?


「ブーーーッ!

もう良いわ、家ダニ!

答えは、

『気(木)が変わったから』よ」


あ、あ、ああああ。

ウジ虫から家ダニに降格?しちゃったよぉ、トホホ。

うーん、でも、なるほどナナちゃんなかなか上手い事言うね。


「ああ、もう情けないったらありゃしないっ!

ちょっと、お兄さん!

あなたに合わせたレベルのクイズ出してあげるから、次は頑張るのよっ!」


あ、はい、なんかすみません。

お願いします。


「では問題です。

ある街に車十台を収納出来る駐車場がありました。

一番から十番まで番号が打ってあり、常に多くの車が利用しておりました。

ところが、1~8番、10番は常に満車状態なのに9番だけは何故かいつでも空いているのです、その理由は何でしょうか?」


ええと、ええと、ちょちょちょっと待って。

何で九番だけが空いてるかって言われても、何だろう?

穴が空いてたとか?

入り口が無かったとか?

あっ!

開店休(九)業かなあ?


「ああ、あ、やっぱ、ダニには無理かあ。

かなり簡単にしたんだけどなあ。

じゃあ答えね。

『車は、急(九)にとまれない』

赤ん坊だって知ってるよ!」


なるほど、そうでしたか。

うーん、参った。


「どうする?

まだ〈宗兄弟の謎〉とか〈消えるテープ〉なんてのもあるけど?」


いやいや、お兄さん、もう無理です。

問題外の様なので、大問題になる前に退散します。

すまぬすまぬ。

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