第11話 ヴィクトールとの再戦
3人が合流してからは支援活動でのセイレーンの負担が軽くなった。2人の頃は動き回る事に必死で、昔のように笑い合いながら楽しい時間を過ごす事は無かったんだけど、今は少しの余裕があるとお茶を飲みながら会話を楽しんでるの♪
「ゆっくり話す機会って無かったねぇ〜♪」
「支援活動に追われる毎日だったから、個人的な話をする余裕は無かったわね。」
「本当なら学園も卒業してるのか…そうなるとセイレーンは結婚とかしてたのかな?」
「そうかもね。きっとつまらない毎日を過ごしてた筈よ(笑)」
「今は忙し過ぎて辛くはないの?」
「やり甲斐があるから充実してるわよ。私は何か動く方が向いてるのね(笑)」
そんな他愛のない話なんだけど、こういう時間は心を癒やしてくれる。
そんな時に強大な魔力が近付いて来るのを感知した。セイレーンも気付いたようで強張った表情になっていたので、私は優しく微笑んで話し掛けたの。
「大丈夫だよ。軽く捻ってくるからね♪」
「うん…気をつけてね。」
その言葉を残して、私はヴィクトールを迎え討つ為に街から離れた平原へ移動すると、ヴィクトールもそれに応じて向かって来たの。
「よう、聖女様。今回は増援を連れて来たぜ。卑怯と言われても関係ねえ、勝つ事が全てだからなぁ〜!」
私は左眼に魔力を注いで聖眼を発動させると、ヴィクトールは『ニヤリ』と笑って口を開いた。
「その眼は効かないぜ!聖騎士隊、前へ出て障壁を張れ!」
「へぇ、聖眼対策をしてきたのね。馬鹿かと思ったけど学習したんだね(笑)」
「この障壁があれば聖なる力は無効化出来る。俺達の弱点はもう無いぜ!」
「ははっ、問題ないよ(笑)」
私は軽く笑ってから右眼にも魔力を注いで魔眼も発動させて、障壁を張ってる聖騎士達を排除する。
「セレスティア.Z.シルヴァニアが命じる。
「そんな…聖都の乱で滅んだはず…」
ヴィクトールは目の前の出来事を理解出来なかった。魔眼は悪魔の象徴。その対になる聖眼を持つ者が発動させたからだった。
「聖女、お前は何者だ?聖眼と魔眼を持つ事は許されない筈だ!まさか?!」
「今から消えるお前に答える必要は無い。セレスティア.Z.シルヴァニアが命じる。
光の斬撃は平原に居る全ての魔族を薙ぎ払って消滅させた。唯一消滅せずに残ったヴィクトールは、抵抗する力は残ってなかった。
「お前は天使でも悪魔でもない…か…」
ヴィクトールは最後の言葉を口にする前に消滅した。ヴィクトールを倒した事で、残すは国王のみだとこの時は思っていたの。
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