第9話 ティアード帝国の落日
ティアード帝国のフィーガン市への侵攻は失敗に終わった。総勢1万に及ぶ帝国兵は全滅。
同時侵攻していた【アピキノ市】は、冒険者達が一丸となって、アピキノ市へ繋がる街道にある砦で防衛線を張って立ち向かった。
帝国軍2万の兵に対して、砦で防衛する冒険者達は2千しか居なかったが、SランクとAランクの冒険者達の圧倒的な強さの前に、帝国軍は砦に取り付く事が出来ず思わぬ苦戦を強いられていた。
それでも圧倒的な人員と物量の前では徐々に疲弊していき、遂に砦に取り付かれて倒壊寸前にまで追い込まれたの。
「俺達がここで足止めする!街へ戻ってもう1度防衛線を張ってくれ!」
1人の冒険者が門の限界を覚って大声で叫ぶ。
そして砦の門が崩れ始めて帝国兵がなだれ込むかと思ったその時、冒険者達の前に1人の少女が現れ優しく声を掛けた。
「よく頑張ったね。後は私に任せてね♪」
「あんたは?」
「セレスティア.Z.シルヴァニア、帝国軍を全滅させる者だよ。早く退却して!」
「噂の聖女か、済まない…」
砦を死守していた冒険者達を、安全に退却させる為に障壁を張った。後は門を破って侵入してくる帝国兵と本拠地を全滅させるだけだ。
私は砦に押し寄せる帝国兵に向かって、爆裂魔法を放つと辺り一面が爆音と共に消滅した。
次に、私は従魔達を召喚して命令する。
「ロハ、敵の本拠地へ攻め込んで、誰一人残さずに全滅させてくれる?」
「お任せください。」
爆音は帝国軍の本拠地に届いたが、侵攻先から黒煙が上がっていて何が起こったのかは判らないでいた。
そして、ロハ率いる従魔達が押し寄せて来ると、必死に抵抗するも全く歯が立たずに、誰一人残らずに全滅したのだった。
ティアード帝国のレオーネ王国侵攻は派兵した3万の兵士を全て失うという大敗戦となり、帝国民からの信頼を失った皇帝は、退位する選択肢しか残っていなかった。
しかし、皇太子であるスレインは帝国を離れた為に後継の皇帝には宰相が就く事になったが、有力貴族達が其々に国家設立を宣言した事により数年の内乱が続いたの。その結果、セイレーンの祖国ティアード帝国は滅亡したのだった。
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