第7話 セイレーンの困惑

 私達は順調に王都を目指していたが、【影】のブラッドさんよりティアード帝国がレオーネ王国への侵攻しようとする動きがあると報告を受けた。


「帝国は何を考えてるのかしら?あれだけ圧倒された王国への侵攻なんて自殺行為よ…」


 セイレーンは困惑しながら口にすると、ブラッドさんも困惑気味に返答する。


「王国軍を押し返した事が自分達の実力だと勘違いをしているようですね」

「セイレーン…私は帝国が侵攻してきて、王国軍に押し返されたとしても助けないけど良いよね?」

「構わないわ。私は帝国を見捨てたから気にしなくて良いのよ?私達に賛同してくれてる人達に危害を加えるなら、帝国軍を討つべきだと思ってるのよ」


 セイレーンの言う通りで、帝国軍が地方の人々が望まぬ併合をするならば、帝国軍から守る事にしたの。なので私達は王都を目指す事を一旦中止して、帝国軍の動向を注視する事にしたの。


 侵略や戦争を起こして酷い目に合うのは、争いなど望まず平穏な生活を送りたい人達だ。

 自分達の私利私欲の為に、戦場にも出向かずに高みの見物をする為政者達に怒りを覚える。


 全てが終わったら…人族.魔族.魔物等のしがらみを断って、みんなが手を取り合う場所を作りたいと改めて思った。


 私とママとセイレーンが居れば、そんな場所を必ず作れると…


➖➖➖セイレーン視点➖➖➖

 本当に帝国と言うかパパは馬鹿なのかしら?あれだけ力の差を見せつけられたのに…王国へ侵攻すれば、私の頼みでセレスティアが援護してくれるなんて思ってるのだろうけど、私はそんな事はしない。


 ここで帝国が押し返されてパパが退位して、スレインが皇帝になってくれると良いんだけど思う通りには行かないかしら?

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