最愛なる殺人鬼さまへ

有氏ゆず

第零話 ハジマリ

0-0




突然だが、彼は殺人鬼である。




名前はまだない。

……彼自身が捨てたから。





初めて彼と出会ったのは、




私が家から逃げ出したある満月の夜の日。






荒れたゴミ捨て場で、ダンボールに包まって眠る貴方を私が見つけた。






とても汚くて、不潔な筈なのに。



綺麗でなんか、ある筈ないのに。






逃亡者である私の目にはあなたがとても美しく映ったの。












「……お願い。私を助けて。私に、飼われて……」













これは愚かな私が最愛なる殺人鬼さまへ捧げる物語である。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る