エロス・マルチヴァース・ワンダラー
第3話 マルチヴァースものでは悪を倒しても他の世界ではまだいるということになるからヒーローとは相性が悪いというのは嘘。どんな場所・世界であってもそこにいる悪を見逃せないのがヒーローだからだ!
第3話 マルチヴァースものでは悪を倒しても他の世界ではまだいるということになるからヒーローとは相性が悪いというのは嘘。どんな場所・世界であってもそこにいる悪を見逃せないのがヒーローだからだ!
吐いた。
今度は
その後、
気持ち悪さの度も越して来たが、容赦なく次元跳躍は繰り返される。
「本当にごめん」
「良いですってば」
何百回の次元跳躍を繰り返し、ようやく私たちはどこかの世界に着地した。
「あのう、すみません」
「ひゃっ!?」
二度目の吐瀉で申し訳なさでいっぱいになっている私の肩を誰かが叩いた。
「あのう、何なんですかあなたたち?」
「えっと……?」
私はキョロキョロと辺りを見回した。
私たちがいたのはピンク色の照明に照らされた部屋だった。
そして私の肩を叩いたのは、全裸の男性だった。さっきの世界とは違い、見慣れた裸姿の他者に少しホッとしたものを覚える。
「どうやらイサキ反応のある場所にピンポイントで着地することができたみたいですね」
私は、全裸男性の顔を見た。どこかで見覚えがある。どこで見たことがあるのだろう、と一瞬不思議に思ったが、何のことはない。その顔は、毎朝鏡の前で見ている。
「そうか、あなたがこの世界のイサキ」
「何の話してます?」
全裸男性は呑気に首を傾げた。その後ろで、腰を抜かして声が出ないまま私たちを唖然と指差す全裸女性がいることに、私はようやく気づいた。
「もしかしてお楽しみでしたか?」
「そうだけど……」
「イサキさんですね?」
「確かに僕はイサキですが」
「こんな状況で申し訳ありませんし、ぼくたちを不審に思って当然ですが、お話する時間いただけないでしょうか?」
「いいけど」
「いいんだ!?」
驚く私をよそにイサキさんは全裸女性を立ち上がらせると、肩を抱いて部屋の外まで送った。
「それじゃああなたたちの言うお話、聞かせてもらえますか?」
「なるほど、わかりました」
「わかったんだ!?」
「真偽はさておき、その話を僕は面白おかしく……失礼、とりあえずは事実として飲み込むしかないですからね」
今あまり聞くべきではない言葉が聞こえた気がしたが、空耳だったと思おう。
「そうですね。この世界にあなたたちを追うゴールデン某が来るまで、居場所を貸すことはできます」
嫌に話がわかる。
「そうですね。家賃、月に5万でどうですか?」
金を取る気だった。
「まあそのくらいは仕方ないですかね」
「良いんですか?」
「これまでもそんな感じです。奴らから逃げるために遠くの
イサキさんとの家賃交渉を経て、とりあえずは私たちは仕事先を探すことになった。
「結局、私は何なんですか? 私だけが
「それはあの時、
「あなたは、
「私、無欲なんかじゃないですよ?」
「ぼくを助けるために、自分が消えるかもしれないにも関わらず、身を投げ出してくれた」
「それは。あの時はそうするしかないと思ったし」
「それで良いんです。あなたを見つけられた。それだけでも、あの
続く。
【和田島博士の解説tipsその4】
渡伊咲。
希望とは儚いモノ。那由多の
果たしてこの出会いが
とりあえずここまで語ることができたので、僕はお風呂に入ってきます。可愛いアヒルさんを通販で仕入れたので。
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